パイオニアの19年3月期中間決算、最終赤字99億円に

 パイオニアが11月7日に発表した2019年3月期第2四半期(4月~9月)の決算は、売上高が1709億2800万円(前年同期比3.0%減)、営業損益は16億8800万円の損失、経常損益は36億3100万円の損失、親会社株主に帰属する四半期純損益は99億3300万円の損失となった。


 カーエレクトロニクス部門は、市販事業、OEM事業が振るわず、売上高は703億6700万円(前年同期比5.6%減)だった。国内外別の売り上げについては、国内が283億1900万円(3.9%増)、海外は420億4800万円(11.2%減)となった。

 市販事業は減収だった。カーオーディオが新興国や欧州で減少したほか、カーナビゲーションシステム(カーナビ)が国内で減少したことが要因。また、OEM事業も減収となった。カーオーディオは北米で減少しつつも、国内や中国、東南アジアで増加して前年並みになった一方で、カーナビは北米や中国で減少したことが影響した。

 また、パイオニアは通期でも連結営業損失を見込んでいる。新興国の市況低迷などの影響を受け、カーエレクトロニクス事業の売上高が計画を下回る見通し。この状況を踏まえて、通期の連結売上高の予想を従来の3800億円から3500億円に下方修正した。

 今期中に返済期限が迫る取引銀行からの借入金については、2018年9月18日にベアリング・プライベート・エクイティ・アジア傘下のKamerig B.V.から250億円の融資を受けたことにより、返済のめどが立っているという。しかし、借入金の返済を行った場合、事業を継続することに懸念が生じる恐れがあることから、同社は業績の改善や資金の確保に取り組むとしている。

 具体的には、OEM事業ではコスト削減や取引条件の見直しを図る。地図や自動運転関連では、自動運転に必須となる走行空間センサー「3D-LiDAR(ライダー)」の製品化に向けて動き出した。市販事業では、スマートフォン連携機能を強化した新製品のタイムリーな市場導入や、音を中心としたエンターテインメント性の追求により、同社ならではのコネクテッドカーライフを引き続き推進していくという。