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個人向けのeラーニングは提供形態が多様化、矢野経済研究所の調査

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2018/05/08 14:30

 矢野経済研究所は、国内eラーニング市場について調査を実施した。2017年度の国内eラーニング市場規模は、2000億円(前年度比13.2%増)の見込みで、個人向けのBtoC市場規模が1380億円(同17.9%増)、企業・団体内個人を含む法人向けのBtoB市場規模が620億円(同3.9%増)と、両市場ともに拡大傾向にあるという。


 BtoC市場は、14年度を境に1000億円台の規模に急成長し、ここ数年、国内eラーニング市場規模の拡大を牽引している。17年度は、学習塾・予備校の映像授業が引続き堅調であったほか、主要通信教育事業者ではサービス体系の見直しやサービスラインアップの拡充が奏功し、ユーザー数を着実に増加させた。しかも、学習アプリをはじめとする無料のサービスも多く、市場規模の拡大以上にサービス数やユーザー数が増加していることが推測できるという。学習理解を深めるためのツールとして、「学習コースの一部に動画解説やオンラインによるコーチングを組み込む」「eラーニングとリアルのコーチングを融合させる」などの学習サービスは増加傾向で、提供形態の多様化がますます進む環境にあるとしている。

 BtoB市場は、スマートフォンやタブレット端末の普及による学習ツールの多様化、情報通信技術の向上、クラウド環境の進展などによってもたらされたeラーニングの利便性向上が、顧客企業の利用機会増加、顧客層のすそ野拡大を導き、堅調推移を継続させているという。

 このような状況から、矢野経済研究所では18年度の国内eラーニング市場規模として2071億円(前年度比3.6%増)と予測している。BtoC市場は、参入事業者間の業績に好不調が生じる可能性はあるものの多くのサービスが伸長するという。BtoB市場については、良好な雇用環境を背景とする顧客企業の人材育成投資の活発化によって堅調に推移するとみている。