ヤマダ電機がベスト電器を完全子会社化

経営戦略

2017/04/12 19:09

 ヤマダ電機は4月12日、グループで九州地区が地盤のベスト電器を完全子会社すると発表した。ベスト電器は6月28日付で東京証券取引所と福岡証券取引所で上場廃止となる。


ベスト電器を完全子会社化したヤマダ電機

 両社間で株式交換契約を締結し、ベスト電器の1株に対して、ヤマダ電機の普通株式0.28株を割当てて交付する。ヤマダ電機が交付する株数は2283万5807株を予定する。

 ヤマダは2012年7月にベストと資本業務提携をして、ベストの株の51%を保有して子会社化した。その後も13年3月に52%まで保有比率を高めて、共同商品の調達や開発、資材調達などグループの競争力を高める取り組みを行ってきた。

 今回、完全子会社化することで、グループ内におけるスピーディな意思決定や方針の徹底、ヤマダが持つ各種ソリューションビジネスの最大限の活用、上場維持管理コストの削減などのメリットが見込まれるとする。また、ベスト電器の商号や店舗ブランドは維持する。

●ベスト電器の決算は大幅増益

 ベストは同日、17年2月期の連結決算を発表。売上高は前年比93.6%の約1595億円、営業利益は同148.7%の約30億円、経常利益は142.8%の37億円、当期純利益は226.9%の38億円と、減収ながらも大幅な増益だった。

 全自動洗濯機や洗濯乾燥機など高付加価値の白物家電の販売台数が伸長し、平均単価も上昇。理美容家電も好調だった。一方で、デジタルカメラや周辺機器が不振だった。粗利益率は前期の23.6%から24.7%に、1.1ポイント改善した。なお、上場廃止に伴い、18年2月期の業績と配当予想は発表しなかった。