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SIMフリースマホの市場拡大に貢献した、ASUSのスマホを振り返る

経営戦略

2015/12/14 11:00

 「Zen」ブランドを冠した初めてのSIMフリーのスマートフォン(スマホ)、ZenFone 5。2014年11月、ASUSが日本のSIMフリースマホ市場に本格参入を果たした最初のモデルだ。これが一つのきっかけになって日本のSIMフリース マホ市場は立ち上がった。そして15年5月に「性能怪獣」ZenFone2、8月にZenFone 2 Laser(5インチ版)、9月にZenFone Selfie、11月にZenFone 2 Laser(6インチ版)と矢継ぎ早に新製品を投入するなど、日本市場に力を入れている。日本のSIMフリースマホ市場を引っぱってきたASUSのこれま での動きをまとめた。

 ファーウェイとLGが大きな勢力を占めていたSIMフリースマホ市場に、ASUSが本格参入を果たしたのが2014年11月。ZenFone5の投入か らだ。それまでPCで展開していたZenシリーズをスマホにも拡大。Zenシリーズが持つ洗練されたデザインコンセプトをスマホに受け継ぎ、クアッドコア CPUを採用するなどの高いパフォーマンスがユーザーに支持された。その結果ASUSは、発売の初月にいきなり47.6%でSIMフリースマホのトップ シェアに躍り出た。スマホに占めるSIMフリーモデルの割合も、14年10月までは5%にも満たなかったが、11月には5.8%と一気に6%に迫るまでに 拡大。翌月はさらに9.4%と1割近くまで構成比が上昇し、日本のSIMフリースマホブームの火付け役になった。
 


 SIMフリースマホの構成比が16.0%と当面のピークを迎えたのは15年5月。ベンチャーのプラスワン・マーケティングやコヴィアの新製品が徐々に売 れ始めたことも要因の一つ。だが最も影響力が大きかったのはASUSのZonFone2発売だ。画面サイズも5.5インチと一回り大きくなり、画面解像度 が1980×1080と向上、CPUにPC並みのIntel Atom Z3560を搭載し、まるでPCのようだと評されるほどのハイパフォーマンスのフラッグシップモデル。ASUSが自ら「性能怪獣」とニックネームを付けた ほどだ。製品発表会のために来日したジョニー・シー会長も「世界で通用するモデルにブレークスルーすることができた」と満足げに語っていた。やたら頭が大 きい、同社のスマホのマスコット「禅太郎」が登場したのもこのときだ。
 


性能怪獣ZenFone 2を手にするジョニー・シー会長と禅太郎

 5インチのZenFone 5と、性能怪獣のZenFone 2の2モデルで日本のSIMフリースマホ市場を席巻したASUSは、15年のSIMフリースマホ市場で上半期No.1を獲得した。ASUSのシンシア・テ ン マーケティング部長にその理由を聞いたところ、ZenFoneシリーズの基本性能もさることながら、「日本向けに徹底的なローカライズとチューニングを施 したことも、日本市場でブレイクした要因ではないか」と分析する。「電波は生モノ」とよく言われるが、地形や気候によってつながりやすさが左右されること も珍しくない。そうした日本独特の環境にしっかり適合させるため、担当チームが全国に飛んでデータを集め、細かな調整を繰り返したという。そうした地道な 努力も、上半期No.1の獲得の一因となったのだろう。
 


ZenFone Selfieを手に、上半期No.1の要因分析をする、
シンシア・テン マーケティング部長

 夏場を迎え息を吹き返してきたのがファーウェイだ。新製品投入の効果が出て、7月-9月の3か月間トップに立った。しかしASUSも負けじと、レーザー 光線を使って高速にカメラのピントを合わせることができるZenFone 2 Laser(5インチ版)や美人エフェクトなどで自撮りがキレイに撮れるZenfone Selfie、ZenFone 2 Laserの6インチ版などを投入。ZenFoneシリーズのラインアップを一気に広げ、テコ入れを図ることで、10月、11月とトップに返り咲いた。1 月には15年の年間トップシェアを表彰するBCN AWARDの受賞企業が決まる。年末商戦まっただ中。上位2社での熾烈なトップ争いが展開している。SIMフリースマホ市場で栄冠を獲得するはどこか。大 いに注目だ。
 


左がZenFone 2 Laser(5インチ版)、右がZenFone 2 Laser(6インチ版)

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