2022.9.14 12:00
スマホ・PC新Apple Watch誕生 まだ持ってない人を欲しくさせる三つのモデル
アップルが9月7日に米国クパティーノの本社でイベントを開催し、Apple Watchの新製品を発表した。初登場のタフネスモデル「Ultra」を加えた3シリーズの特徴に触れながらアップルの戦略を読み解く。
今回発表されたApple Watchの新製品は、初代から進化を続けるナンバリングモデルの「Series 8」、廉価版「SE」の第2世代機、そして新しいシリーズとして加わるタフネス仕様の「Ultra」だ。
2022年の新モデルとして発表された「Apple Watch」
(左から「Series 8」「Ultra」「SE第2世代機」)
チタニウムケースを採用するタフネスモデルの「Apple Watch Ultra」
特徴はトレッキング、ダイビング、トレイルランなど、アウトドアスポーツを楽しむ際に求められるタフネス性能を極めたスマートウォッチになったことだ。
風防は耐久性能に優れるサファイアクリスタル、形状はフラット。ケース周辺のフレームをわずかに高くしてガラス面を守るデザインとした。従来の柔らかで丸みのあるApple Watchの印象からは大きく変わっている。
今までのApple Watchにないフラットな形状のガラスが特徴。
右側のDigital Crownとサイドボタンは手袋を着けたままでも操作しやすいように大型化
左側面に割り当てた機能を素速く呼び出せるようにアクションボタンが付いている
タフネスウォッチでありながらケースの大きさと厚みを抑えているので、ビジネスウェアにも合わせやすいといえる。比重の小さな金属であるチタニウムのケースなので、見た目の印象よりも意外に軽い。ジョギングやウォーキングのようにカジュアルに楽しめるスポーツで体を動かすときのため、またはふだん使いのスマートウォッチとしてUltraを選ぶのもありだ。
Ultraは、他のApple Watchよりもバッテリの持ちがいい。通常で最大36時間の連続使用に対応しており、省電力モードに加えて本体に内蔵するGPSや心拍数の計測頻度を減らす別の低電力設定を行えば、内蔵バッテリにより最大60時間の連続駆動ができる。
外れにくい安定した装着感のバンドが付属
新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが長く続く中、自身の健康維持・管理に役立つウェアラブルデバイスとしてApple Watchに注目が集まり、売り上げも大きく伸ばした。
今後は健康増進、あるいは体力回復を目指してより積極的に行うワークアウトのサポーターとしてスマートウォッチを活用する傾向もより強くなるだろう。健康志向が守りから攻めに転じる機運が高まる中、Apple Watch Ultraはその勢いを捉えているといえよう。これまでアナログのタフネスウォッチを好んできた愛好家も、Ultraの登場によって新たなApple Watchユーザーになる可能性がある。
エレガントなルックスの「Apple Watch Series 8」
本機とApple Watch Ultraには女性ユーザーの健康を継続的に見守る「皮膚温測定機能」が新たに付いた。Apple Watchを手首に着けて、5日間続けて睡眠時に「皮膚温」の自動計測を行うと、ペアリングしたiPhoneのヘルスケアアプリに記録が残り、手首皮膚温の経過がグラフ化される。
Apple Watch Series 8とUltraには、手首皮膚温の情報を元に月経周期を測定して、ユーザーの推定される過去の排卵日に関する通知が受けられる機能を搭載している。皮膚温測定により月経予測の精度も高まるという。
新搭載の皮膚温センサーで手首から皮膚温を検出。健康周期の測定に役立つ
手首皮膚温センサーは、Apple Watchを身に着けるユーザーの体温を測るためのものではない。ヘルスケアアプリもまた手首皮膚温の相対的な変化を記録することしかできないが、記録された周期の推移を元に体調の変化を把握したり、データが基礎疾患の症状かもしれない偏差を示す場合には通知を受け取れる。
皮膚温測定の機能は男女を問わず、病気や時差ボケによって発生する体調の変化を把握をユーザー自身が把握するためにも役立つ。今後サードパーティのデベロッパーによる、データを生かした新しいアプリの開発が促進される期待もある。
自身のヘルスケアにより深く関心を持ちながら、日々の健康記録を支えてくれるスマートデバイスを探し求めている人の期待をApple Watch Series 8が広く受けとめるだろう。
エントリーモデルの「Apple Watch SE」
本体はアルミニウムのケースと、本体背面側はナイロン複合材を採用するバックケースの色を合わせた。やや青みの強いミッドナイトが新色として加わる。サイズ展開は44ミリと40ミリ。
ヘルスケア関連の機能は血中酸素ウェルネスと心電図アプリ、皮膚温センサーが使えないところがSeries 8との差分になるが、その他のヘルスケアとワークアウトのエッセンシャルな機能はしっかりとそろっている。
何より3万円台から買える価格設定がとても魅力であることから、コロナ禍中に健康管理のため入門クラスのフィットネスバンドを買って、もう少し多機能なスマートウォッチにステップアップしたいと考えている人の琴線に触れそうだ。
近年のヘルスケアブームを受けて伸ばしたApple Watchの人気を、コロナとの共生が求められる時代にますます成長させようとする、アップルの意気込みを強く感じるラインアップ展開だ。入門機のSEが足場を固めて、従来ユーザーの買い換え・買い増し需要をSeries 8と新顔のUltraで刈り取る。アップルが狙うターゲットに各モデルが思惑通りに受け入れられるのか、発売後の動向にも注目したい。(フリーライター・山本敦)
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今回発表されたApple Watchの新製品は、初代から進化を続けるナンバリングモデルの「Series 8」、廉価版「SE」の第2世代機、そして新しいシリーズとして加わるタフネス仕様の「Ultra」だ。
(左から「Series 8」「Ultra」「SE第2世代機」)
タフネスモデルの「Ultra」誕生
Apple Watch Ultraはシリーズ最大となる49ミリのチタニウムケースを採用。通信機能はGPS+セルラーモデルの1択。価格は12万4800円というハイエンドモデルだ。純正の専用バンドは3種類から選べる。
特徴はトレッキング、ダイビング、トレイルランなど、アウトドアスポーツを楽しむ際に求められるタフネス性能を極めたスマートウォッチになったことだ。
風防は耐久性能に優れるサファイアクリスタル、形状はフラット。ケース周辺のフレームをわずかに高くしてガラス面を守るデザインとした。従来の柔らかで丸みのあるApple Watchの印象からは大きく変わっている。
右側のDigital Crownとサイドボタンは手袋を着けたままでも操作しやすいように大型化
タフネスウォッチでありながらケースの大きさと厚みを抑えているので、ビジネスウェアにも合わせやすいといえる。比重の小さな金属であるチタニウムのケースなので、見た目の印象よりも意外に軽い。ジョギングやウォーキングのようにカジュアルに楽しめるスポーツで体を動かすときのため、またはふだん使いのスマートウォッチとしてUltraを選ぶのもありだ。
Ultraは、他のApple Watchよりもバッテリの持ちがいい。通常で最大36時間の連続使用に対応しており、省電力モードに加えて本体に内蔵するGPSや心拍数の計測頻度を減らす別の低電力設定を行えば、内蔵バッテリにより最大60時間の連続駆動ができる。
新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが長く続く中、自身の健康維持・管理に役立つウェアラブルデバイスとしてApple Watchに注目が集まり、売り上げも大きく伸ばした。
今後は健康増進、あるいは体力回復を目指してより積極的に行うワークアウトのサポーターとしてスマートウォッチを活用する傾向もより強くなるだろう。健康志向が守りから攻めに転じる機運が高まる中、Apple Watch Ultraはその勢いを捉えているといえよう。これまでアナログのタフネスウォッチを好んできた愛好家も、Ultraの登場によって新たなApple Watchユーザーになる可能性がある。
女性の健康を見守る機能が充実する「Series 8」
Apple Watch Series 8は順当に進化を続けてきた、アップルによるスマートウォッチの最新モデル。Series 7から画面が大きくなった本体のデザイン、45ミリと41ミリから選べるケースのサイズを受け継いだ。血中酸素ウェルネスや心電図、睡眠など人気のヘルスケアアプリも引き続き搭載する。通信機能をGPSに絞ったモデルを選べば5万9800円から買える魅力もある。
本機とApple Watch Ultraには女性ユーザーの健康を継続的に見守る「皮膚温測定機能」が新たに付いた。Apple Watchを手首に着けて、5日間続けて睡眠時に「皮膚温」の自動計測を行うと、ペアリングしたiPhoneのヘルスケアアプリに記録が残り、手首皮膚温の経過がグラフ化される。
Apple Watch Series 8とUltraには、手首皮膚温の情報を元に月経周期を測定して、ユーザーの推定される過去の排卵日に関する通知が受けられる機能を搭載している。皮膚温測定により月経予測の精度も高まるという。
手首皮膚温センサーは、Apple Watchを身に着けるユーザーの体温を測るためのものではない。ヘルスケアアプリもまた手首皮膚温の相対的な変化を記録することしかできないが、記録された周期の推移を元に体調の変化を把握したり、データが基礎疾患の症状かもしれない偏差を示す場合には通知を受け取れる。
皮膚温測定の機能は男女を問わず、病気や時差ボケによって発生する体調の変化を把握をユーザー自身が把握するためにも役立つ。今後サードパーティのデベロッパーによる、データを生かした新しいアプリの開発が促進される期待もある。
自身のヘルスケアにより深く関心を持ちながら、日々の健康記録を支えてくれるスマートデバイスを探し求めている人の期待をApple Watch Series 8が広く受けとめるだろう。
3万円台から買える第2世代の「SE」
20年に発表されたApple WatchのエントリーモデルであるSEに第2世代の新製品が登場。GPSモデルが4万800円の初代Apple Watch SEの価格よりも3000円安い3万7800円から購入できる。
本体はアルミニウムのケースと、本体背面側はナイロン複合材を採用するバックケースの色を合わせた。やや青みの強いミッドナイトが新色として加わる。サイズ展開は44ミリと40ミリ。
ヘルスケア関連の機能は血中酸素ウェルネスと心電図アプリ、皮膚温センサーが使えないところがSeries 8との差分になるが、その他のヘルスケアとワークアウトのエッセンシャルな機能はしっかりとそろっている。
何より3万円台から買える価格設定がとても魅力であることから、コロナ禍中に健康管理のため入門クラスのフィットネスバンドを買って、もう少し多機能なスマートウォッチにステップアップしたいと考えている人の琴線に触れそうだ。
近年のヘルスケアブームを受けて伸ばしたApple Watchの人気を、コロナとの共生が求められる時代にますます成長させようとする、アップルの意気込みを強く感じるラインアップ展開だ。入門機のSEが足場を固めて、従来ユーザーの買い換え・買い増し需要をSeries 8と新顔のUltraで刈り取る。アップルが狙うターゲットに各モデルが思惑通りに受け入れられるのか、発売後の動向にも注目したい。(フリーライター・山本敦)
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