外付けディスプレイが無い在宅ワーク、ノートPCスタンドで健康的に効率アップ!

レビュー

2020/08/18 19:35

 在宅ワークをするなら、少しでも快適な作業環境を整えたい。以前、本サイトで掲載した「在宅勤務の“デスク無い問題”、ノートPCのデスクトップ化で解決?」という記事では、テレビを外付けディスプレイとして利用する方法を解説した。筆者としてはなかなかのソリューションだと自負していたのだが、そもそもリビングで仕事をするのが難しかったり、家族がテレビ好きで仕事に使うのが難しいなんて声も少なくない。

 こうした制約下で効率的・健康的に仕事をするには、やはり目線をいかに水平に近づけるかが重要だ。そこでおすすめしたいのがノートPC用のスタンド。狭いスペースでもディスプレイの位置を上げて、適切な姿勢を維持しやすい。使い続ければ姿勢も矯正できそうだ。

タイプから好きなスタンドを見つけよう

 ノートPCスタンドのタイプは、大きく分けると三つある。一つめは、ノートPCの底面全体を支えるタイプ。角度や高さを調整できる幅が広く、使いやすい姿勢に調節しやすい。なかには、ファンを搭載して冷却機能を高めるモデルもある。多機能な反面、大きくて重いというデメリットも。1kg以上の重量になりがちなので、ノートPCに加えてこのスタンドを外に持ち運ぶのは難しい。自宅での使用に割り切るなら、よい選択肢となるだろう。
 
サンワサプライのアルミ製ノートPCスタンド「CR-39」。最大35cmも高くできるため、
ある程度高さがある卓上で使えばスタンディングにも対応可能。
ただし、重さは1.65kgとかなりの重量級

 二つめはポータブルタイプ。小さく折りたためて重量も軽めなので、外出先や職場に持ち運ぶのも容易だ。そのかわり、前述のタイプと比べると角度や高さを調整できる範囲は狭くなる。細いフレームを使った製品が多く、重量級のノートPCに耐えられるのか心配になるが、可動部が少ないため想像以上に丈夫にできている。おおむね10kg以上の耐荷重性能を持つため、ノートPCでの使用にはまったく問題ない。
 
エレコムのポータブルPCスタンド「PCA-LTSC2BK」。
重さ272gでスリムに折りたためるので、外出先へ手軽に持ち運べる

 三つめはノートPCの底面に貼り付けるタイプのスタンド。持ち運ぶときは平らな状態にしておき、ノートPCを使用するときはスタンド部を組んで高さを出す。クラウドファンディングで大成功を収めた「MOFT」が代表的だが、その人気からフォロワー的な商品も増えている。

 二つめのタイプよりもさらに軽く、ノートPCにくっつけるため、持ち運ぶときも忘れる心配がない。その代わり、複数の機器で使い回すような使い方は難しい。粘着面は繰り返し使えるようには作られているが、頻繁に着脱する使い方はホコリの付着も考えると精神衛生上もよくない。
 
MOBOの「ORIGAMI STAND for Laptop」は、ノートPCに貼り付けるタイプのスタンド。
山折りと谷折りで2つの高さに調整可能。重量はわずか70gだが、
耐荷重は約2.8kgと必要十分な能力を備える

目線は水平になるけれど文字はちょっと打ちづらい

 私が購入してみたのはポータブルタイプのスタンド。実際に使ってみると、ノートPCでも視線が水平に近くなり、首や肩がかなり楽になる。折りたたんだときのサイズはと縦25cm×横6cmと小さく、重量は製品単体で200gを切るので、持ち運びも容易。コンパクトな折りたたみ傘くらいのボリューム感だ。
 
実測で200gを切る軽さで、付属する布製ケースに入れても200g程度。
これで40kgの重さに耐えられるというのだから驚きだ

 フットプリントも小さいため、カフェの小さなテーブルや奥行きのないビジネスホテルのデスクなどでも問題なく使えそう。問題点は、キーボード面もそれなりに傾斜がつくため、慣れるまではキー入力にはちょっと違和感を覚えること。個人的には、自宅で使うなら手前に外付けのキーボードを配置したいところだ。

 接地面積が小さくいかにも不安定そうな見た目なので、キー入力時にぐらつくのではないかと気になるところだが、強めにEnterキーを押しても小さく揺れる程度。ふだん通りキー入力するぶんには、ぐらつきを気にする必要はない。
 
画面をいちばん高くしたパターン。画面は見やすいが、キーボードにはかなりの傾斜がついており、
文字入力には慣れが必要だ。

手書きにも便利! 長時間の書き仕事の負担を軽減

 筆者は記事執筆と並行して書籍の編集業務も担当しており、2 in 1タイプのノートPCでPDFに手書きの指示を入れることがままある。この作業を長時間をおこなっていると、顔が真下を向くので首や肩が猛烈に凝ってくる。

 ところが、スタンドにノートPCを載せて赤入れをしていると、自然に斜度がつくからか、ふだんよりかなり負担がかかっていないことに気付く。道具にこだわるイラストレーターが傾斜台を愛用する気持ちが理解できた。
 
スタンドにノートPCを載せると自然に斜度がつく。
このおかげで長時間作業をしても首や肩が疲れづらい

 狭いスペースでも、外付けのディスプレイがなくても、ノートPCスタンドを使えば水平に近い視線を保つことができる。商品の価格も高くないので、肩や首の凝りに悩んでいる方はぜひ試していただきたい。

 また、タブレット型のPCで文字やイラストを描いている人にもノートPCスタンドはおすすめ。手書きがもっと快適になること請け合いだ。(浦辺制作所・澤田 竹洋)

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