三脚・一脚市場、用途の変化か?卓上サイズが躍進

アナリストPOSデータ分析

2020/05/19 12:30

 デジタルカメラやデジタルビデオカメラを固定するために利用される三脚・一脚だが、最近ではスマートフォンに対応した製品も増えている。全体の販売台数に大きな変動はないものの、サイズ別に販売台数構成比を算出したところ、卓上サイズの構成比が増加していることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかとなった。


 三脚・一脚は撮影機器を固定することで手ぶれを防止し、写真や動画を撮影するために使われる機材だ。三脚・一脚のサイズごとに卓上(全高0.5m未満)、小型(同1.0m未満)、中型(同1.7m未満)、大型(同1.7m以上)と定義し、販売台数構成比を算出したところ、4月2週から卓上サイズの構成比が過半数を占めていることが分かった(図1)。これは1都1府5県に緊急事態宣言が発令となった4月7日を含む時期と重なっている。

 在宅勤務の推奨によりビデオ会議サービスの利用が増えたこと、一部の学校でオンライン授業が開始になったこと、居酒屋の営業自粛要請によりオンライン飲み会を開催する人が増えたことなどが、三脚・一脚の卓上サイズの需要を押し上げていると考えられる。スマートフォンをはさんで固定できる別売りアタッチメントを取り付けることが可能な製品や、もともとスマートフォンを固定するホルダーが付いている製品が卓上サイズの売れ筋上位に入ってきていることからも明らかだ。

 今後、ウイルス感染拡大が終息すれば卓上サイズの需要は元に戻るかもしれないが、こうした需要の変化は外出自粛に関連する特需といえる。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。