ノートPCの平均単価は上昇し続け、2019年2月以降、恒常的に10万円を超える水準で推移している。価格帯では、10万円未満の比率が19年9月に5割を割り込んだが、消費増税後の10月に入ると再び10万円未満の比率が半数を超え、若干安い価格帯への還流がみられた。メーカーシェアでは、今までと異なる動きが出始めていることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」から明らかとなった。


 ノートPCの価格帯別台数比率を算出したところ、断続的に10-15万円未満の比率が増加、この9月は18年1月以降初めて4割を超えた(図1)。同期間の平均単価も基調としては右肩上がりで推移しており、今年2月以降は常時10万円を超える動きとなっている。毎年1月は初売りや集客の目玉商品と位置付けられることから、ノートPCの単価は下がる傾向にある。今年1月の単価は9万7000円と、この10カ月では最安値となったのはこのためで、その後は10万円を超える値動きが続いている。
 

 メーカー別台数シェアでは、今までと異なる動きがあらわれていることが分かった。増税前の9月にシェアを伸ばしたのはNECと富士通、Dynabookだが、増税後の10月には勢いを失い、それぞれ3-5ポイントもシェアを落としている。代わりにシェアを伸ばしたのはレノボ・ジャパン(以下、レノボと表記)とASUSだった。増税前は高価格帯を展開するメーカーが、一方、増税後は低価格メーカーがそれぞれ躍進するかたちとなった。

 増税前に高価格帯メーカーを躍進したのは、Windows 7のサポートが終了が微妙に影響している面がある。6月のWindowsの月例セキュリティ更新プログラム適用後に、ポップアップでWindows 7のサポートが終了する旨を順次告知されるようになった。それを受け、買い換えもしくは買い増しで動いた購入者層は、NECや富士通、Dynabookを買い求めたと言えそうだ。ところが、10月に入るとその3社のシェアは揃って下落に転じ、代わりに低価格メーカーが躍進。再び、低価格性が注目される傾向にあるようだ。

 消費増税を挟み、安価なノートPCへと需要が流れ、購買意識に変化があらわれたと言って良さそうだ。こうした、より安価な製品に需要が流れる現象は、ノートPCに限らず液晶テレビなどでもあらわれている。一時的な動きとなるか継続するか、現状では判断しづらいが、今後メーカーのシェア争いで、これまでとは異なる動きがあらわれそうだ。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。