PCの性能アップや自作PCに欠かせないメモリ。店頭での単品販売が好調に推移しており、2018年12月以降、数量伸び率(前年同月比)はプラス、数量指数でも基点を上回る動きが続いている。スマートフォン販売が世界的に頭打ちとなり、中核部品であるDRAMの在庫ダブつきが単価を押し下げ、割安感がメモリの販売増に結びつく要因となっている。また、この2年間のメーカーシェアで上位4社の寡占化が一段と進んでいることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」から明らかになった。


 ここ2年におけるメモリ市場の「数量伸び率」と、17年6月の販売量を100.0とした「数量指数」をみると、前者は18年12月から好転してプラスで推移、後者も伸び率に連動するかたちで数値を高めている(図1)。この要因を調べてみると、1GB当たりの単価(GB単価)が大きく影響を及ぼしていることが分かる。例えば、17年6月を境にGB単価が1000円台に上昇した時期があるが、このとき市場は急速に縮小へと転じている。単価アップが消費者の購買意欲を削ぐ動きとなったわけだ。その後、18年春ごろからGB単価の下落とともにマイナス幅は改善し、単価が1000円を下回った18年12月以降、一気に回復へと転じている。売れ行きの変動はGB単価に起因しており、ここ数カ月は業界にとっては追い風となっている。直近の動きをみると、19年6月の伸び率は180.2%と市場規模は前年同月の2倍近くにも達し、指数でも146.0と2年前の約1.5倍となった。

 そこで、メーカー別の数量シェアを算出し、市場好転の貢献度合いを調べてみた。
 

 この2年間、首位の座を維持するのはシー・エフ・デー販売だ。17年6月に39.7%と4割近くを占有し、19年6月現在は32.2%と、この2年で7ポイント下げたとはいえ唯一3割台を維持する。シー・エフ・デー販売がやや停滞する中、2番手集団を形成するSilicon Power、Corsair、GSkillの3社の勢いは増しつつある。各社のシェアをみると、Silicon Powerは2年前の5.2%から、現在は18.3%に躍進。同様にGSkillは1.0%から11.5%へ、Corsairは9.1%から12.9%へとシェアを高めており、シー・エフ・デー販売を着実に追い上げる動きとなっている。この上位4社のシェアを合計すると、2年前は55.0%だったが、現在は74.9%と寡占化が進んでいることも明らかとなった。

 単価下落で好調なメモリ市場だが、先行き不安な要素が持ち上がってきた。メモリ製造に必要な材料を、7月4日に日本政府が韓国に対する輸出管理制度の優遇措置を解除したためだ。周知のとおり、韓国は世界最大のメモリ生産国。SAMSUNGやSKハイニクスのメモリチップの減産は不可避で、メモリ市場は一気に不透明感を増すのは必至だ。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。