タブレット端末市場は、2019年4月の台数伸び率(前年同月比)が124.0%と、ここ一年で最も大きな伸びを記録した。これは3月末に発売となったiPadの新製品による影響であることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」から明らかになった。


 タブレット端末市場の伸び率を振り返ると、18年4月は96.8%と前年割れを喫して以降、月を追うごとにマイナス幅は拡大し、7月に87.8%、9月は84.3%と悪化していた(図1上)。しかし、電子決済の還元キャンペーンなどが需要を刺激し、18年12月に110.4%と2ケタ増へと転じた。その後、前年並みの水準を維持するまでに復調、19年4月は124.0%と躍進した。市場が回復した大きな要因は、19年3月末に発売となったiPad miniとiPad Airだ。

 そこで過去13カ月の画面サイズ帯別の台数構成比をみると、18年4月から10月までの7カ月間には大きな変化はみられなかったが、18年11月では「11"以上」の構成比が前月の3.0%から13.8%へと10ポイントも上昇したのは、11.0"と12.9"のiPad Proの販売がスタートしたことによるもの(図1下)。19年3月以降はiPad miniの発売によって、「8"未満」の比率も増加。また、10.5"のiPad Airが含まれる「10"台」も18年10月以来、構成比が3割台に戻っていることも明らかとなった。アップルは19年4月現在で6割近いメーカーシェアを占めており、市場に大きな影響力を与える存在であることも分かった。

 では、今回のiPad miniを含めた小型タブレット端末と大画面化が目立つスマートフォンの競合状況を探るため、17年度と18年度(4月~3月)に発売となった両者のシリーズ数を画面サイズごとにカウント。それを比較し、変化をみていく。
 

 まず、スマートフォンのシリーズ数は、17年度全体では93。18年度は77と16シリーズも減少した。画面サイズ帯ごとに大きな違いが現われており、「5.0-5.5”未満」は46シリーズから12シリーズと激減する一方、「6.0-6.5"以下」は7シリーズから32シリーズへ4倍以上も増加し、大画面化が進行している。

 同様に、タブレット端末でも17年度全体のシリーズ数は53。18年度は43と、10シリーズの減少。画面サイズ帯ではスマートフォンほどの大きな変化はみられないが、「8"台」では17年度の12シリーズから6シリーズへと半減したこと。「7"台」のシリーズ数はほとんど変化がなく、現時点ではスマートフォンと小型タブレット端末との競合はないと言えそうだ。

 以前から、画面サイズがスマートフォンとノートPCの中間に位置するタブレット端末だが、今でもその立ち位置は変わっていない。しかし、折り畳みスマートフォンが参考製品として発表されたことによって、今後、大画面化はさらに進む気配があり、小型タブレット端末と競合する可能性は一段と高まる見通し。しかし、利用シーンや価格との兼ね合いによって、大画面スマートフォンと小型タブレット端末の共存はあり得るとみていいだろう。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。