ノートPCの月別販売台数はここ3年にわたって、ほぼ同一水準を保っている。しかし、平均単価は2018年の夏以降、例年とは異なる動きを示していることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」から明らかになった。


 15年12月の販売台数を「100.0」としたノートPCの月別台数指数では、ここ3年間、ほぼ同様の動きを示しており、年末年始や年度末商戦に需要が集まっていることが分かる(図1)。その中で、やや異なる動きをみせたのが17年の1月と3月で、いずれも例年を上回る数値となった。これは需要期と重なったうえ、4月11日のWindows Vistaサポート終了に伴う買い替え需要が活発化したためだ。こうした特需が見あたらないにもかかわらず、昨年12月の台数指数は「107.7」と、高い水準を記録している。
 

 台数指数と同様に3年間の月別平均単価の動きをみると、例年にはない動きが現われている(図2)。単価は夏から秋にピークを迎え、それ以降は年末・年始商戦に向けて下落し、1月に最安値をつけるという動きを毎年繰り返している。しかし、昨年は7月の9万5500円を底に、毎月1~2000円近く上昇を続け、10月には10万円を超え、12月には10万4500円に達した。単価上昇が続く要因を探ったところ、主にエントリーモデルに搭載されるCPUが、「Celeron」からより高速の「Core i5/i7」へとハイエンド化しつつあることが分かった。こうしたマシンスペックの底上げが、単価の上昇に結び付いているようだ。昨年12月の単価が過去3年では最大値となる一方で、台数指数でも高い水準を記録しているだけに、市況は明らかに好転しつつあると判断すべきだろう。

 ただ、懸念材料もある。今年10月の消費増税前の駆け込み、20年1月のWindows 7のサポート終了による買い替え需要など、一見すると需要を刺激する要素が少なくないが、引き続き単価の上昇や高止まりが続くならば、需要を喚起する推進力が削がれ、より安価なタブレット端末やスマートフォンへと流れてしまう可能性が否定できない。需要の出方と単価の関係性をどう判断するかが、今後は問われることになりそうだ。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。