「iPhone XS/XS Max」が9月21日に発売となった。「iPhone 7/7 Plus」発売の2016年以降、アップルから全世界での初動に関する公式リリースが発表されず、動向はつかめなくなった。そこで家電量販店・ネットショップの実売データを集計するBCNランキングを使い、「iPhone 7/7 Plus」以降の日本国内での動向を比較してみた。


 「iPhone 7」の発売日である16年9月16日の販売台数を「1.00」として、シリーズごとに累計販売台数指数を算出した(図1)。まず「iPhone 7」をみると、発売2日後に「1.88」、3日後には「2.64」と堅調に推移し、10日後は「5.19」となった。同日発売の「iPhone 7 Plus」の発売当日は「0.10」で、「iPhone 7」と比較すると10分の1にすぎず、その後も低調だった。

 翌17年9月発売の「iPhone 8」では、発売当日は「0.47」と「iPhone 7」の半分にも満たず、初動は鈍かった。これは約2カ月後に上位機種の「iPhone X」が発売になることが分かっていたため、どちらを選択するか迷っている購入者が多かったことが影響したためだ。しかし、「iPhone 8 Plus」と「iPhone 7 Plus」が10日経過した時点で比較すると、前者は「0.97」であるのに対し、後者は「0.33」と差は3倍近く開いており、「iPhone 8 Plus」は好調な滑り出しをみせたといっていい。「iPhone X」は基準とした「iPhone 7」の販売を若干上回る「1.05」だったものの、生産が追い付かず、流通は在庫を確保できなかった。これが響き、出足は好調であったにもかかわらず、すぐに失速。10日後は「2.88」にとどまった。

 新モデルとなる今回の「iPhone XS/XS Max」(18年9月21日発売)の初動をみていく。「iPhone XS」は「0.44」で、「iPhone XS Max」は「0.28」と一世代前の「iPhone 8/8 Plus」とほぼ同等の販売数だ。「iPhone XS」はその後も「iPhone 8」を若干下回るものの、5日後には「1.64」。「iPhone XS Max」は「iPhone 8 Plus」を少し上回る水準で推移しており、高価ではあるが初動は何とか格好がついた状態だ。

 今年はフラッグシップにあたる「iPhone XS/XS Max」が先に市場投入され、1か月後に「iPhone XR」が発売になるため、昨年とは状況が異なる。しかし、スマートフォンが10万円を超える価格帯であることを考慮すると、ユーザーは簡単に買い替えがしにくい状況になっている。その上、販売補助に対する締め付けが厳しくなっており、価格面におけるiPhoneの優位性は崩れている。ユーザーが安価で高機能なAndroidへと流れることを考慮すると、安価なモデルや小型であることが強みであった「iPhone SE」の後継機投入を検討しなければ、アップルのシェアは今後さらに後退していくだろう。