2019年2月以降、レコーダー市場は好調に推移し、販売台数・金額伸び率(前年同月比)はプラスで推移していることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」から明らかになった。しかし、BS・110度CS4K/8K放送(新4K8K衛星放送)に対応したチューナーの搭載率は、薄型テレビと比較すると伸び悩んでいることが分かった。


 ここ一年間のレコーダー市場全体の伸び率をみると、18年5月から19年1月まで、前年を下回る月がたびたびあり、不安定な動きとなっている(図1)。しかし、19年2月以降、4カ月連続で台数・金額ともプラスと好転している。平均単価の推移を見ると、18年11月は4万8300円と、10月の4万4100円から4000円増となった。年末年始の商戦期には一転して単価は下げる傾向にあるが、HDDの大容量化や地上波デジタルチューナー数の搭載増で、ここ最近は緩やかな上昇傾向を示している。
 

 18年12月にスタートしたのが新4K8K衛星放送で、その放送波を受信できるチューナー搭載レコーダーの比率は、いまだに伸び悩んだまま(図2左)。搭載製品の販売台数比率は、放送開始前の18年11月が9.2%と2桁が目前に迫ったが、その後比率は低下し、19年1月には2.4%まで落ち込んだ。翌2月には4%台に戻したが、それ以降は大きな変化はなく、5月は5.1%に過ぎず、伸び切れていないのが実態だ。一方、4K/8Kパネル搭載の薄型テレビ(液晶テレビと有機ELテレビの合計)で新4K8K衛星放送チューナーを搭載した製品は増加。テレビ全体に占める比率は、19年5月には約3分の1にあたる31.9%に達している。テレビのチューナー搭載率が高まったことが、レコーダーが伸び悩みにつながっているのかもしれない。

 厚生労働省が発表した統計によると、国内の世帯総数は約5000万世帯。内閣府発表の薄型テレビ世帯普及率は96.7%、100世帯あたりの薄型テレビ保有台数は216.3台で、単純に掛け合わせると、家庭内に存在するテレビはおよそ1億台と推定できる。そして一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は、19年4月末までの新4K8K衛星放送視聴可能機器台数は95万台であると発表している。こうした数値から算出すると、新4K8K衛星放送を受信できるのは約1%にしかならない。新4K8K衛星放送の受信環境が整うには、まだまだ時間がかかりそうだ。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。