消費増税前の駆け込み需要が発生したにもかかわらず、2019年9月のデジタルビデオカメラ(DVC)の売れ行きは前年並みにとどまった。この3年で市場規模は緩やかな縮小傾向を続けている。後退要因の一つに、ハンディカメラ(横型)の販売減があることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」から明らかとなった。


 DVC市場は、毎年3月の卒業・新入学シーズンと9月の運動会や行楽シーズンに販売台数が増える季節変動が現われている(図1)。しかし、16年9月の販売実積を「1.00」とした販売台数指数でみていくと、1年後の17年9月は「1.19」、2年後の18年9月は「1.03」を記録したが、毎年9月以外は軒並み低調に推移、9月以外は需要の落ち込みが色濃く現われるようになった。消費増税で駆け込み需要が発生した19年9月の指数は「1.02」と、かろうじて3年前の水準を上回る程度だった。消費増税の影響を受けていない、前月の19年8月の指数は「0.51」と基点の半分程にしか達しておらず、需要期以外の動きは、縮小傾向をたどっている。また、販売台数伸び率(前年同月比)でも、2年の間に前年を超えた月は数える程度で、19年9月も99.0%と前年に届かなかった。
 

 次にタイプ別の台数比率をみていくと、横型の比率が変動を伴いながら、減少傾向にあることを示していた(図2)。一方のアクションカメラは、16年9月の13.0%から比率は上昇し、3割前後での推移から、4割を超える月も目につく。DVC市場全体の需要は、半数を超える横型の売れ行きに大きく左右される。比率を増やしているアクションカメラは、大型連休(4-5月)やマリンスポーツ(7-8月)、ウィンタースポーツ(12月)といった特定の時期に需要が高まっており、季節変動の大きいジャンルとなっている。いずれにしても、売れ行きの鈍った横型が、市場全体の縮小をもたらす要因となっているのは明らかだ。

 大容量のメモリを搭載し、カメラ性能が向上しているスマートフォンがデジタルカメラ市場に続き、DVC市場も浸食し始めている。SNSを介し、動画を共有するには、スマートフォンでの作業が適しているため、今後もDVC市場の縮小が続く恐れがある。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。