歩道を走れるスクーター「WHILL Model S」登場、試乗可能な取り扱い店舗も

新製品

2022/09/15 08:00

 WHILLは、「敬老の日」に先立つ9月13日から、歩道を走れるスクーター「WHILL Model S」の先行受注を開始した。また、より便利で安心な移動を後押しするため、本人と家族が外出情報を共有したり、機体の位置や状態を確認したりできるIoTサービスを提供するアプリ「WHILL Family App」も開発。保険やロードサービスなどがセットの既存サービスと一緒にしたModel Sだけのプレミアムなサービス「WHILL Premium Care」として、来年1月以降に開始する。

時速6km以下で走行する近距離モビリティ
「WHILL Model S」

 免許返納件数が年間60万件にのぼる一方、その後の移動手段に挙がるシニア向け電動アシスト自転車やシニアカーの流通台数は計16万台弱にとどまっており、シニア向けモビリティ市場は限定的となっている。高齢化の加速にともない、今後移動手段のニーズがさらに高まることが予想されるなか、創業当初から近距離、とくに歩行領域の移動をカバーするプロダクトとサービスを展開するWHILLでは今回、これまでになかった新しいカテゴリーの移動手段として、Model Sを市場投入する。

 Model Sは、電動アシスト自転車よりも安定した走行性能と、シニアカーよりも日常に馴染みやすいシンプルなデザイン性をあわせもつスクーター型モデル。歩道を安定して長く走ることができるため、高齢化社会における免許返納後も心地よく走れるクルマ、自転車の代わりとなり、長距離を歩くと疲れてしまう人の移動手段として、既存の移動手段では拾いきれなかった顧客ニーズを形にした。
 
使用イメージ

 操作はシンプルで、レバーを握れば前進/後進、手を離せばその場でブレーキがかかり停止する仕組み。直感的でわかりやすく、滑らかな操作性でありながら、操作部には自動車に馴染みがあるアイコンを採用し、運転の楽しさを演出している。価格は21万8000円から(非課税、送料調整費別)で、カラーは全4色から選択できる。

 また同社では、本人と家族により安心で快適な移動体験を提供するため、Model Sだけのプレミアムなサービスとして「WHILL Premium Care」を開発した。保険やロードサービス、メディカルアシストがセットになった既存のサポートサービス「WHILL Smart Care」と、本人と家族がスマートフォンのアプリ上で機体の居場所や状態、外出記録などの情報を共有できる「WHILL Family App」を一緒にしたもので、年額2万6400円(月当たり2200円)で利用できる。

 Model Sの先行受注は、9月13日からWHILLのECサイトと電話、WHILLを取り扱う全国の自動車ディーラー、サイクルベースあさひなどで一斉に開始した。また、検討や相談をしやすくするため、一足早く、有楽町マルイやミライロハウス(丸井錦糸町 5F)、宮城三菱自動車(日の出町店)、ホンダカーズ川越(川越中央店)、ホンダカーズ岐阜(岐南店)、大阪マツダ(本社営業所)、九州三菱自動車(福岡本店)など全国20店舗を皮切りにModel Sを試乗できる体制を整え、9月13日から試乗予約を開始した。なお実機配備のタイミングは店舗により異なる。

 WHILL Model Sの航続距離は33km、最高速度は前進6km/h、後進2km/h。サイズは全長119×幅55.3cm×高さ92cm。重さ63kg(バッテリ込)。耐荷重100kg。充電時間は、標準充電器で9時間40分、急速充電器で6時間40分。