大容量でコスパも良し! ADATAの人気モバイルバッテリー2機種を比較

レビュー

2021/11/12 17:30

 多くのデジタルデバイスを所有する現代人にとってモバイルバッテリーはもはや必須品だ。最近では電源機器周辺の技術革新によって、大容量を確保しながら持ち運びも簡単なコンパクトなモデルが登場してきている。今回はADATA(エイデータ)の売れ筋モデルである「P20000QCD モバイルバッテリー(以下、P20000QCD)」「P20000QCD モバイルバッテリー(以下、P10000QCD)」を比較も交えながら紹介したい。

ADATAの売れ筋モバイルバッテリーである「P20000QCD」「P10000QCD」をレビュー

品質の高さで選ばれるADATA

 ADATAテクノロジーは2001年5月に設立された、台湾・台北に本社を置く半導体とエレクトロニクスのメーカーだ。DRAMモジュールとSSDは世界第2位のシェアを誇っている。台北と中国の蘇州、ブラジルのサンパウロにも大規模な生産施設があり、2021年現在で本社を含む14の拠点を世界中に構えるグローバル企業だ。

 ADATAのブランド名を冠する製品は世界の70を超える国で販売されている。日本でも2012年にADATAのSSDがトップシェアを獲得して以来、クオリティが高く、なおかつ多くのユーザーが手に取りやすい価格を実現したADATAの製品が多くのユーザーに選ばれている。

 同社の製品ラインアップはモバイルバッテリーにも広がっている。P20000QCD、P10000QCDはともにモバイルバッテリーで多くのデバイスが充電できるようになった現在、大容量で可搬性にすぐれ、なおかつ価格も手頃な良質アイテムとして注目を集めている。

モバイルバッテリー人気の2機種を比べる

 電池容量はP20000QCDが2万mAh、P10000QCDが1万mAhとなる。本体のサイズはP20000QCDが365g、P10000QCDが175gだ。バッテリーの容量には2倍近くの差があるが、想定売価はP10000QCDの2800円前後に対して、P20000QCDが3200円~3400円前後と肉薄している。カラーバリエーションはともにブラック・ホワイト・ブルーの3色を揃える。

 以下に紹介する特徴は両モデル共通であることから、いざ購入を本格検討する段階で両モデルを比べる際の指標としては「サイズ感重視のP10000QCD」「容量重視のP20000QCD」として、まずそれぞれのキャラクターを描き分けることができるだろう。
 
サイズ感重視のP10000QCD
 
容量重視のP20000QCD

6種類の急速充電方式に対応

 まずは、両製品に共通する特徴を紹介しよう。P20000QCDとP10000QCDはともに急速充電機能を搭載する。気をつけたいのは、急速充電と言っても現在はさまざまな充電方式があることだ。それぞれの方式にマッチする製品同士でなければ機能のメリットが活かせず、通常速度でゆっくりとチャージされることになる。

 ADATAのモバイルバッテリーは広く普及するUSB PD(Power Delivery)3.0のほか、Qualcomm QC 3.0、MTK PE1.1、Samsung AFC、HUAWEI SCP & FCP、OPPO VOOCなど合計6種類の急速充電技術に対応。デバイスを急いで充電したい緊急事態に頼れるアイテムだ。

 どちらの製品も同時に複数のデバイスがチャージできるように種類が異なるUSBポートを複数搭載する。USB-Cは入出力の両方に対応。USB-Aタイプのポートは2基備える。P20000QCDには本機を充電するためのmicroUSBポートも備えているが、パススルー充電には非対応だ。
 
種類が異なる複数のポートを搭載
 
同時にスマホとワイヤレスイヤホンスマートウォッチなど複数のデバイスを充電できる

 USB-C接続時には最大18Wの出力が得られる。USB PDに対応するさまざまなデバイスをチャージできるが、やはりバランスを考えるとiPhoneなどのスマホ、iPadなどタブレットの充電に適していると思う。より低い出力でチャージできるワイヤレスイヤホン・ヘッドホン、スマートウォッチでも快適に使えるだろう。

 アップルの最新スマートウォッチ「Apple Watch Series 7」は電源アダプターやモバイルバッテリー側のコネクターをUSB-Cとして、USB PD互換の急速充電にApple Watchとして初めて対応した。ウォッチに同梱される「Apple USB-C 磁気高速充電ケーブル」を携行すれば、外出先でApple Watchのバッテリー残量が少なくなっても安心だ。コンパクトサイズのP10000QCDとのマッチングがとても良い。
   
Apple Watch Series 7の急速充電も可能

柔軟で安心な使い勝手

 本体のフロント側にはデジタル表示のカウンターがある。モバイルバッテリー側の充電残量を確認しながら必要な分だけ効率よくチャージができる。
 
バッテリーの残量がわかるインジケーターを搭載

 安全に対する配慮としては、P20000QCDとP10000QCDの両機には過電流、および過充電によるヒートアップを防ぐための保護回路が搭載されている。パッケージには本体の充電用にUSB-C/USB-Aケーブルを付属。本機でほかの機器をチャージするためには、それぞれに合う充電ケーブルを用意したい。
 
バッグのポケットにもコンパクトに収納できるP10000QCD

 旅行や出張等の用事にスマホとタブレットなどを携行する場合、それぞれの給電・充電に使う付属の電源アダプターを携行すると荷物がかさばり、機器の管理も煩雑になりがちだ。特に期間があまり長くない旅に出る際、荷物の量はなるべく減らしたい。

 そんなとき、さまざまな機器の充電を一手に引き受けてくれるADATAのモバイルバッテリーが1台あれば頼もしく感じられるだろう。終日電源を確保できない屋外で働く時間が長い方にとってもまた、大容量でポータビリティの高いADATAのP20000QCDとP10000QCDは最良の選択肢になるはずだ。(フリーライター・山本敦)