【木村ヒデノリのTech Magic #018】 密になりづらいということで、自粛後再びキャンプが人気を博している。そんなキャンプに使うギアの中でも、ランタンはクラシック派とLED派に分かれる。クラシック派の批判はあるだろうが、明るさと利便性を求めるLED派に圧倒的な支持を得てきたのがLUMENA(ルーメナー)だった。しかし2020年、この常識を覆したのがCRAYMORE 3FACE+(以下、3FACE+)だ。照明としての明るさや連続点灯時間はもとより、大容量バッテリーとして使える機能性はアウトドア用途だけでなく防災にも大きな効果を発揮するだろう。

照明としてだけでなく大容量バッテリーとしても機能する「CRAYMORE 3FACE+」。
角度の違う面で分けて照射することもできるため、通常のランタンとは違ったライティングもできる

※写真は4000ルーメンモデルの3FACE+L

圧倒的明るさを実現したモバイルLEDランタン

 CLAYMOREは韓国Prism社が展開するLEDランタンブランドだ。同社はLED照明器具の製造に特化しており、技術力には定評がある。3FACE+より前にリリースされているULTRA+から最大で2700ルーメンを実現するなど、それまで一択だったLUMENAの対抗馬として存在感が高まってきていた。
 
これまで明るさで他社の追随を許さなかったLUMENA7

 この3FACE+では最大5000ルーメンと、それまで1000ルーメンあればかなり明るいとされていた常識を覆した。5000ルーメンともなると、部屋の蛍光灯を消しても同等の見え方になるくらいの明るさで、アウトドアでも1灯で十分な明るさを提供してくれる。また、角度の違う3面から光を照射するため、従来よりも広範囲に明るさを提供してくれるのも3FACE+の特徴だ。
 
光の広がり方が従来のLEDランタンと全く違う

 3FACE+は3つのラインナップがあり、一番小さいモデルでも最大3200ルーメンとかなり明るい。ただ、全長は約23cmと小さくなってしまうため、広範囲を明るくしたい場合はL以上を選ぶといいだろう。本体には2箇所に1/4サイズのネジ穴があり、三脚で自由に設置ができるのも使いやすい。通常のランタンだとフックが使える場所にしか設置できないので、高さが変えられる三脚で運用ができるのはアウトドア撮影においても非常に便利だ。
 
防水防塵性能もあるので少々濡れても安心して使うことができる
 
サイドと裏側の2箇所にネジ穴があることで
縦横どちら方向にもライトを固定しやすく重宝する

モバイルバッテリーとしても優秀! 大容量のSAMSUNG製を搭載

 大容量のバッテリーも魅力の一つだ。前述の表のとおり、Mタイプでも1万7400mAhのバッテリーを内蔵し、最大照度で7時間30分点灯が可能、高輝度と長時間点灯の両立を実現している。また本体サイドにはUSBタイプAポートがあるので、スマホなどの充電にも使える。

 3FACE+LであればiPhone11 Proを5.7回フル充電できるので、照明機能は使わずともモバイルバッテリーとして利用できる。これは災害用途であればかなり実用的でメリットが大きい。光量もあるので停電時に照明として使えるうえに、必要になれば1~2日は家族4人でそれぞれのスマホの充電に使える。

 また、放置した際の放電も、筆者の環境ではほぼなかった。したがって、満充電にしておいて保管しておいても問題ないだろう。ただ、用途を考えればポートの数は少ないかもしれない。大容量を活かすならば、USBポートは2ポートあったらさらに便利だったのではないだろうか。ハブで分岐すれば同時に使えるかもしれないが、検証が必要だろう。2万mAhを超える後継機にはぜひ2ポート以上を実装してほしい。
 
ここまで大容量なら2ポートあるとさらに便利だった

高輝度が広げてくれるアウトドアでの用途

 昨今ではキャンプの画像や動画をSNSや動画配信サイトで公開する人も増えてきているように思う。そうした用途に、この3面という照射角と高輝度はうってつけだ。撮影時には直射的に当てると雰囲気が壊れてしまうことも多く、室内であれば天バン(天井バウンス)や壁バン(壁バウンス)と呼ばれる間接的に照明を当てる手法が用いられる。

 いずれも天井や壁が白いことを利用しておこなわれるが、アウトドアではそうした手法が取れないことの方が多い。かといってソフトボックスなど、大掛かりな機材を使って撮影するのは割りが合わないので、どうしても夜間はチープな写真になりがちだ。

 そんな時に3FACE+を使えば正面の灯りを消し、サイドだけ点けることで簡易に間接光を作ることができる。色温度も表の通り3種類が選べるため、写真の雰囲気に合わせてすぐに変えられるのも便利だ。
 
サイドだけ点灯できるのも今までのLEDランタンになかった機能だ

アウトドア用途で使う際はデメリットも

 とはいえ高輝度なりのデメリットもある。まず言えるのは正直ここまでの明るさがアウトドアで必要かどうかという点だ。冬場のキャンプで大きなテント全体を照らしたい時は重宝するかもしれないが、焚き火を囲んだ照明を考えるとランプ型の低輝度LEDに軍配が上がる。

 キャンプでは明るすぎないことも重要なため、低照度で点けたとしても、形状や光の拡散から雰囲気を壊しやすい3FACE+は適していないかもしれない。そういうシチュエーションにはレトロタイプのLEDランタンや、クラシックランタンの方が向いているのでそちらを選択すべきだろう。また、夏場は高輝度だけにかなり虫が集まってしまうため、設置場所をタープ外にするなど工夫が必要な点も少々不便かもしれない。
 
キャンプで雰囲気重視ならやはり輝度の低いランタンがいいだろう

 とはいえこれだけの高輝度とバッテリー容量は、他にない利便性を提供してくれる。筆者は動画や写真も撮影するのでアウトドアでも大活躍しているが、そうした使い方をしないユーザーも、災害用途としては多いに検討の余地があるだろう。そもそもモバイルバッテリーと照明をそれぞれ用意するのは面倒なので、両方を兼ねられる意味でも所有する価値がある。近年の災害の多さを考えても持つことで安心感が得られる製品だった。(ROSETTA・木村ヒデノリ)


■Profile

木村ヒデノリ 
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。

普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で1歳半の娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。

【新きむら家】
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