どこにいても原稿が書けると、1988年にモデムがついたバッテリ駆動のワープロを購入してから33年。筋金入りのモバイラーを自認する私の好物は小さなPCだ。ミニPCばかり買っていると、困ることがある。しばしばスペックの逆転現象が起きるからだ。メインで使っている普通サイズのノートPCより、ミニPCの方がハイスペックになってしまう、という現象だ。せっかくだから、一番いいスペックのPCを常用したい。でも画面が小さすぎて、自宅やホテルなどで使うには、さすがに使い勝手が悪い。そこで、試しにモバイルディスプレイを使ってみることにした。

左奥がミニPC本体、大きな画面がモバイルディスプレイだ。キーボードとトラックボールもつないだ

 どうせ買うなら大ぶりの画面がいいだろうと、選んだのは15.6インチモデル。中国・深センのメーカーLepow製の「Z1」だ。およそ2万円で日本の通販サイトから購入した。1920x1080でフルHDのIPSノングレアパネルを採用し、厚さは9mm。USB Type-Cケーブル一本でPCと接続し、画像信号を送りつつ給電もできる。mini HDMI端子もあり、Type-C接続に非対応のPCでも利用が可能だ。

 バッテリは非搭載で、本体のみの重さが699gと軽量。手持ちの8インチミニPC、CHUWI MiniBookに接続した。残念ながらPC側が対応しておらず、USB Type-Cでの接続はできなかったため、mini HDMIでつないだ。
 
今回使ったLepowの15.6インチモバイルティスプレイ「Z1」。
本体にぐるりとカバーがついている。このカバーを使って自立させる構造

 さすが15.6インチ。8インチでは米粒のような文字が、大きく見やすい。色味はやや黄色っぽいが、画面が広大になり、とても使いやすくなった。今回のセットでは、モバイルディスプレイとミニノートを合わせると、重さがおよそ1.4kg、価格でおよそ8万円。15.6インチのノートPCでも、探せば重量と価格で下回る製品がいくつかある。

 中古PCを探すという手もあるだろう。素直にそちらを買えばいいという話もあるが、モバイルディスプレイとミニノートに分けて使うのに利点があるからだ。

 
モバイルディスプレイ左側の端子をクローズアップ。上からmini HDMI端子、映像出力・給電兼用の
USB Type-C端子、イヤホン端子。右側には給電用のUSB Type-C端子や電源スイッチなどがある

 外出時は、ちょっとした作業用に662gのミニPC本体のみ持ち歩き、自宅や出張時のホテルなどでの作業でディスプレイを接続して使用。マウスやキーボードも接続すると、とても快適な作業環境が出来上がる。出張などに出かける際は、モバイルディスプレイ、キーボード、マウスをスーツケースに入れておけば、移動も多少楽になる。もともとミニPCを持っているなら、モバイルディスプレイを買い足すだけなので、懐にも優しい。

 15.6インチのノートPCを買い足さない理由がもう一つある。PCが増えるとアップデートの管理が面倒になり、ソフトウェアもその分買い足さなければならないからだ。移動中やちょっとしたモバイル用途では、小さく使い、腰を据えて使うときに大きく使える、という環境は思いのほか快適だった。15.6インチのモバイルディスプレイをメイン主に使い、本体の8インチディスプレイをサブディスプレイ的に使うこともできる。

 ディスプレイの小型・軽量化が進み、モバイルディスプレイというカテゴリーの製品が生まれたからこそ可能になった利用法だ。モバイラーにはぜひ一度試してもらいたい。(BCN・道越一郎)