ソフトバンクの5G戦略の柱は? コンテンツ力で競合と差別化

 ソフトバンクは、3月5日に5Gサービスに関する記者会見を開催し、開始日や料金プランと合わせて、5G対応スマートフォンにプリインストールする「5G LAB」について発表した。

ソフトバンクが提供する「5G LAB」ではAR・VR・FRなど
5Gならではのコンテンツが体験できる

 同社は、5G普及のためのアプローチとして「スポーツとエンターテインメント」に力を注いでいる。昨年からライブやプロスポーツの5Gプレサービスを展開してきたが、それらの体験を5Gサービスに加入したユーザーが誰でも体験できるようにする。

 要となるのが、5G対応スマートフォン(スマホ)にプリインストールする「5G LAB」だ。四つのアプリ(「AR SQUARE」「VR SQUARE」「FR SQUARE」「GAME SQUARE」)から構成され、月額利用料金は500円。7月31日まで無料で提供する。特定の動画サービスやSNSが使い放題になる「動画SNS放題」の対象で、データ使用料はカウントフリー。
 
「AR SQUARE」「VR SQUARE」「FR SQUARE」「GAME SQUARE」の
四つのアプリで構成される

 AR SQUAREは、3Dホログラムのアイドルやキャラクターを現実空間に出現させるコンテンツで、拡大・縮小・回転させて自由に鑑賞することができる。カメラを通してアイドルやキャラクターと現実世界のユーザーが並ぶこともでき、撮影した写真や動画をSNSに投稿することも可能だ。
 
ゲストとして登場したAKB48メンバーが5G LABを体験。
ARキャラクターと連動してダンスを披露した

 VR SQUAREは、音楽ライブやスポーツ観戦を複数の視点で鑑賞できるコンテンツ。VRゴーグルを装着すれば、コンテンツを立体的に視聴することもできる。目玉コンテンツとして、AKB48の最新シングル「失恋、ありがとう」の特別メイキング映像を独占配信する。

 FR SQUAREは、VR SQUAREと少し似ているが、音楽ライブやスポーツ観戦を多視点で楽しむことができるコンテンツ。Free view point Reality(多視点)は同社の造語。例えば、独占配信するAKB48のメイキング映像であれば、お気に入りのメンバーに絞り込んで鑑賞するということが可能だ。
 
独占配信の特別メイキング映像から3人のメンバーに絞って鑑賞することができる

 GAME SQUAREは、NVIDIAのクラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」を活用することで、負荷の高いデータ処理が要求されるPCゲームをスマホでもプレーできるようにする。「GeForce NOW Powered by SoftBank」は、月額1800円で6月以降に提供する。7月31日まで無料。5G LABは全国主要都市のソフトバンクショップ45店に体験ブースを設置し、ユーザーに魅力を発信していく。(BCN・大蔵大輔)