SB C&Sが展開するオーディオブランドのGLIDiC(グライディック)から、ブランドの2020年第2弾となる完全ワイヤレスイヤホンの新製品「Sound Air TW-6000」(以下、TW-6000)が発売された。今回は同ブランドが展開するロングセラーのエントリーモデル「Sound Air TW-5000s」とカスタムイヤホンなみの心地よい装着感を追求したハイエンドモデル「Sound Air TW-7000」を比較用に揃えて、新製品の特徴を探ってみた。

グライディックの完全ワイヤレスイヤホン「Sound Air TW-6000」を
歴代のGLIDiCシリーズと比較した
 
左からTW-5000s、TW-6000、TW-7000。現行ラインナップを集めて比べた

TW-7000踏襲のカスタムイヤホンなみの心地よいフィット感

 TW-6000は上位モデルのTW-7000と同様に、カスタムイヤホンを数多く手がける国内のブランドであるカナルワークスがイヤホン形状を監修。耳に掛かる負担を抑えた心地よい装着感を追求している。TW-7000よりも本体がひとまわりほどコンパクトで、女性などの耳が小さいユーザーでも装着しやすい仕様になっている。本体カラーバリエーションのキーカラーは少しくすんだペールピンクとシルバーのようなペールグレーの2色。
 
国内カスタムイヤホンのブランド、カナルワークスが機能的なデザインを監修している
(写真は左からTW-6000、TW-7000)

 SoftBank SELECTIONのオンラインショップの税込価格は1万1880円。同価格帯に並ぶ左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンと比較してみると、必要な機能は過不足なく搭載している。イヤホンをケースから取り出すと電源がオンになり、初期ペアリングの際にはスマホのBluetooth機器一覧から本機の名前をタップするだけで接続が完了する。以後はイヤホンをケースから取り出すだけで、再度ペアリング作業を行わなくてもすぐに音楽リスニングが始められる。

 一度のフル充電から約7時間も連続して音楽が聴ける。充電ケースを併用すれば約21時間の音楽再生が楽しめるので、ふだん使いなら数日間は充電ケースをチャージしなくてもバッテリー切れの心配はない。万一イヤホンのバッテリーが切れかけている場合は、ケースに10分間入れておけば約1時間の音楽リスニングを楽しむ分のバッテリーを速攻でチャージできる。
 
手のひらサイズのケースに効率よく収まるサイズ感。
充電ケースを併用すれば連続約21時間の音楽再生が楽しめる
 
イヤーピースはXS/S/M/Lの4サイズを同梱する。
女性だけでなく男性ユーザーにも使い勝手の良いイヤホンだ

 ペアリングしたスマホの音楽再生、ハンズフリー通話のワイヤレス操作は左右のイヤホンに搭載するボタンから行う。音量のアップダウンや音声アシスタントの呼び出しにも対応する。上位のTW-7000にあって、本機にはない機能は「Multi-communication Mode=外音取り込み」だ。

aptXやTWS Plusに対応 1万円台なのに贅沢な仕様

 本機が搭載するダイナミック型ドライバーはTW-7000の5.6mm口径よりもわずかに大きい6mm口径。BluetoothのオーディオコーデックはAACとSBCだけでなくaptXにも対応したことに注目したい。1万円台前半の完全ワイヤレスイヤホンとしては贅沢な仕様だ。

 TWS Plusは完全ワイヤレスイヤホンの接続性能を高めるクアルコム独自のテクノロジーだ。最新のモバイル向けSoCのSnapdragon 855シリーズと、グライディックのTW-6000のようにクアルコムのBluetoothオーディオ向けSoCを搭載するワイヤレスイヤホンとの間で、左右側のイヤホンを同時に接続して安定性を高める効果がある。

 筆者が確認した限りでは、現在Snapdragon 855シリーズを搭載するスマホの中でこのTWS Plusによる接続が可能な端末はソニーのXperia 1とXperia 5、シャープのAQUOS R3、AQUOS zero2がある。今回はXperia 5をリファレンスにしてTW-6000のサウンドを聴いてみた。
 
TWS Plusによる左右同時接続が可能なXperia 5をリファレンスにして音を聴いた

メリハリの効いた最新世代ならではのサウンド

 テイラー・スウィフトの「Shake It Off」ではボーカルが活き活きとしていて音像がとても立体的だ。声の輪郭線がすっきりとシャープに描かれるところがaptX再生の醍醐味と言える。ドラムスのシンバルやハイハットの切れ味も鋭い。シンセサイザーや管楽器の余韻も滑らか。低音はタイトに引き締まっていてだぶつかない。

 上位モデルであるTW-7000のサウンドを聴き比べてみると、TW-6000の方がボーカルやメロディを演奏する楽器の音色をより鮮やかに引き立てる傾向にあるようだ。TW-7000の方が低音再生に厚みがあり、ベースラインがより太く描かれる。音場の描き方はTW-6000は高さ方向により伸びやかで、TW-7000は中低域を豊かに響かせて土台を安定させる特徴がある。

 次に、SoftBank SELECTIONのオンラインショップで税込価格1万47円で販売されている人気のイヤホンTW-5000sとサウンドや使い勝手を比べてみた。TW-5000sは外音取り込み機能を搭載しているが、やはり音質はTW-6000の方が最新のヒットチューンに合わせてメリハリを効かせたチューニングになっている。そのぶん音楽を聴いていて楽しい。比べてしまうとTW-5000sの方にやや感じる歪みっぽさがTW-6000にはない。一体感あふれるスムーズなサウンドは聴き疲れしなかった。aptX対応もAndroidスマホのユーザーにとって魅力的だ。

 小ぶりなTW-6000は耳に装着した時に顔の輪郭から形が飛び出て見えないので、女性の音楽ファンにもおすすめできる。もちろん男性の音楽ファンにもカジュアルに楽しめるエントリーモデルのイヤホンだが、耳の大きさによって最適なフィット感が得られるようシリコンイヤーピースは丁寧に選んでから身に着けたい。GLIDiCの完全ワイヤレスイヤホンのラインナップにまた一段と厚みが出た。(フリーライター・山本敦)