7月9日に会社設立5周年を迎えたVAIOが出した一つの答えが、「メインPCの最小形は11インチと同じサイズの画面12.5インチのノートPC」である。同日に発表した新製品「VAIO SX12」で実現。設立五周年記念新製品発表会で、林薫取締役執行役員は「メインマシンの最小形」をコンセプトに掲げたと話した。

新製品のSX12を紹介するVAIOの林薫 取締役執行役員

「モバイルPCは13インチ」の常識を覆す

 VAIOの新しい挑戦は、現在のモバイルPCのスタンダードとして構成比で半数以上を占める「13インチ」の常識を覆すこと。働き方改革で在宅勤務など、リモートワークが推奨される時代に、全ての作業を1台のモバイルPCで完結させるには、さらに軽くてモビリティの高いノートPCが必要とされていると考えた。

 しかし実際問題、11インチに物足りなさを感じるビジネスパーソンは少なくない。VAIOでもS11というシリーズを用意しているが、二つの課題を抱えていた。キーボードのピッチが狭いことと、資料づくりなどの仕事用途で11インチの画面サイズが物足りないという課題だ。

 新スタンダートモデルとして提案するSX12は、S11の二つの課題を克服。S11で約16.95mmだったキーピッチを、フルサイズキーボードの約19.0mmに改善。12.5インチディスプレイの搭載では、ボディサイズをギリギリまで使いつつ、軽量性と堅牢性を両立させた。
 
左がフルサイズキーボードと12.5インチディスプレイ搭載を実現したSX12、右がS11

 フルキーピッチを実現するには、キーボードの左右両脇のスペースを詰める必要があるが、コネクタ部の厚みが邪魔をしていた。そこで、基板に実装する部品のレイアウトを再設計し直して、基板そのものをボトムに近づけることでキーボートとコネクタの干渉を回避させた。

 ほかにも、キーボードのバックプレートを本体の左右ギリギリまで伸ばすことによって、フレームが細くなることでロスする強度を補ったり、端子の上部を梁構造にすることで強度を向上させたりなど、細部も見直した。
 
フルサイズキーボードを実現するための工夫

 また、12.5インチのディスプレイを搭載するには、ベゼルを細くしなければならない。そこで、剛性を保つために高弾性UDカーボンによる「面」で強度を確保する「カーボンウォール天板」を採用し、狭額縁でも従来モデルと同等の剛性を保ちつつ、さらなる軽量性も実現させた。
 
左がSX12。ベゼルを細くするために「カーボンウォール天板」で剛性と軽量を実現

 パフォーマンスでも妥協することなく、SX14と同等クラスを実現。CPUのパフォーマンスでは、Core i7モデルでS11よりも約15%の性能向上、Core i5モデルでもS11より約7%の性能向上を実現した。

 ビジネスシーンでの利用を意識して、インターフェースは変換アダプタなしでレガシー端子を直接つなげるようにしつつ、USB Type-Cにも対応。バッテリ駆動時間は最長約14.5時間とした。

 個人向け標準仕様モデルのVJS12190211T(ブラウン)は、インテルのCore i7-8565Uプロセッサ、8GBのメモリ、アングレア処理のフルHD(1920×1080)の12.5型液晶ディスプレイを搭載する。サイズが幅287.8mm×高さ15.7~18.0mm×奥行203.3mm、本体質量が888g。価格はオープンで、税別の実勢価格はVJS12190211Tが21万9800円からなどとなっている。