6月11日から13日にかけて中国・上海で開催した家電を中心とするエレクトロニクス製品の見本市「CES ASIA 2019」で、日本のIT企業であるソリトンシステムズのブースで「ストレスのない日を過ごしましょう」と題し、米国のドナルド・トランプ大統領像をハンマーでたたくという展示が行われた。国際ニュースのAFPBB Newsが12日に報じ、Twitterなどで拡散された。

ソリトンシステムズは当初、自社の出展物ではないと否定していたが、その後、ホームページで謝罪した

 AFPBB Newsの映像では、日本人のスタッフがトランプ像をハンマーでたたくことを来場者に勧めている様子が映っており、トランプ像の奥に地蔵らしきものも見られた。トランプ像でなく地蔵だったとしても、一般的な日本人の感覚からすると違和感を覚える展示内容だ。

 なぜ、このような事態になったのか。ソリトンシステムズは自社のホームページで当初、トランプ像が自社の出展物でなく、NEWZAPというベンチャー企業のデモ品の一つで、報道機関の取材に応じた者が元社員であるとして、自社との関わりや責任を否定していた。

 主催者のCTA(全米民生技術協会)によると、「最初の警告は(2日目の)6月12日正午に出した。そして、(最終日の)13日の展示会開催前に問題の展示部分のみを閉鎖した。CTAは展示会運営の方針に従い、閉鎖する前に必ず警告を出す」と回答。12日正午に警告を出した時点で、すぐにブースを閉鎖するには至らなかったようだ。
 
ソリトンシステムズのブースと6月13日に閉鎖した一部ブース
(撮影:ライターの中山智氏)

 あるイベント運営関係者は、「出展する際の契約書に暴力的な内容や誹謗中傷を禁止する項目が入っていて、これに違反する可能性がある」と語り、たとえ元社員やベンチャー企業がやったこととはいえ、ブース全体の責任は免れないことを指摘する。

 ソリトンシステムズは、14日の11時頃にホームページを更新。トランプ像がNEWZAPのデモ品としながらも、「ブースの片隅でのデモとは言え、弊社のポロシャツを着た元社員が対応した事実から、弊社の製品、発表と理解されることは自然です。責任は弊社にあります。今回、常識と配慮に欠ける行為は、世間および海外の多くの人々に多大な迷惑をかけることになりました。ここに深くお詫び申し上げます」と、自社の責任を認めて謝罪した。

 こうしたソリトンシステムズの対応を踏まえた上でCTAは、「今回の問題について状況が対処されたと理解したので、それ以上の行動を起こす予定はない」と、問題は対処済みであると回答した。(BCN・細田 立圭志)