1月30日にノートPC「LG gram」の2019年モデルを発表したLGエレクトロニクス・ジャパン(LG)。目玉は、1月に米国・ラスベガスでお披露目となった17インチの液晶ディスプレイを搭載した「LG gram 17」だ。ノートPCとしてはかなり大型の液晶ディスプレイだが、LGは「持ち運べるデスクトップ」として新しいモバイルノートPCを提案する。

ギネス世界記録でも17インチノートPCの世界最軽量に認定された「LG gram 17」。
片手でも無理なく持つことができる

 LGのPC市場参入は日本でまだ4年だが、ワールドワイドでは83年に初のマイクロPCをリリースして以来、30年以上にわたって事業を展開してきた歴史がある。特に、軽量が売りの「LG gram」は18年2月に韓国内でシリーズ累計販売台数100万台を突破するなど、同社の代表ブランドとして成長しつつある。

 そんな成長途上のブランドからなぜ“17インチ”という変化球ともいえるモデルを発売することになったのか。森斗志也マーケティングチーム次長は、「モバイルPCにとって軽量であることは欠かせないが、画面が小さく作業性を犠牲にしているという不満は常にあった。持ち運べるデスクトップPCという選択肢はその不満を解消できるはずだ」と開発の経緯を語る。
 
森斗志也次長

 17インチでも、モバイルノートPCと主張するのには根拠がある。全国の家電量販店やECショップから実売データを集計する「BCNランキング」によると、18年1~12月における17インチのノートPC上位100機種は平均重量が約3080gで、連続駆動時間が約2.03時間。一方、LG gram 17は重量が約1340g、連続駆動時間が約22時間を実現している。同じ集計方法で15インチのノートPCを集計した場合の平均重量2312g、連続駆動時間6.49時間という数値も大幅に下回るものだ。
 
昨年に販売された17インチノートPCの上位100機種と比較すると
「LG gram 17」は大幅に軽くバッテリが長持ち

 また、ディスプレイサイズは17インチだが、ディスプレイのベゼルを極限まで狭くしているため、本体を閉じると従来の15.6インチノートPCとほとんど変わらないサイズ感になる。鞄に入れて持ち歩けるという点でも、モバイルノートPCとカテゴライズすることができるだろう。

 ターゲットに想定しているのは、どこでも編集作業をしたいメディアプロシューマーや家族みんなのPCをデスクトップから置き換えたいユーザー、事務作業の多いビジネスパーソン。頑丈性にもこだわっていることから、PCを初めて使用する子ども向けPCとしての可能性も期待している。
 
発表会で披露された耐久性のデモ。バイクの下敷きになってもマシンは問題なく起動した

 国内ノートPC市場は、販売台数シェアの約半分を国内大手3社で占めており、LGのシェアがまだ1%にも満たない。森次長は、「これまで“軽量”と“タフバッテリー”の2軸を訴求してきたが、これからは“軽量+タフバッテリー”をセットで訴求し、ユーザーにその魅力を伝えていきたい」と、認知拡大への意欲を語る。働き方改革などの後押しもあり、モバイルノートPCの需要は高まっている。自社のセールスポイントを効果的に打ち出すことができれば、市場における同社の存在感は増してくるはずだ。(BCN・大蔵 大輔)