スマートフォンメーカーとして名を馳せるファーウェイが今年7月に発売した初のクラムシェル型ノートPC「HUAWEI MateBook X」は、日本国内最大級のオーディオビジュアルアワード「VGP 2018ライフスタイル分科会」でPC部門金賞を受賞した。タブレット端末「HUAWEI MediaPad M3 Lite 10」もタブレット部門金賞を受賞し、ともに優れた性能や技術、コンセプトが評価された。この「HUAWEI MateBook X」のサウンドデモを交えたメディア向け説明会「ファーウェイ×Dolby共同セミナー」から、まずはファーウェイパートを中心に紹介したい。

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文字だけではなかなか伝わらない「音質の良さ」を実機で披露した

映画館や家庭用ホームシアターの音響をPCで再現

 「HUAWEI MateBook X」は、ドルビーアトモスサウンドシステムを搭載した世界初のPC。ドルビーオーディオ対応PCとの最大の違いは、ドルビーがカスタムデザインしたスピーカーと、そのスピーカー向けに最適化したソフトウェア。内蔵スピーカーから、リスナーの周囲と頭上を動き回る、没入感あふれるサウンドを再生できる。今後、他社から同様の製品が登場する可能性はあるが、現時点では「HUAWEI MateBook X」だけ。ドルビーの担当者によると、開発にあたり、特にチューニングに時間がかかったという。
 
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セリフが聞き取りやすくなるなど、
ドルビーアトモス非対応の音源でも音質がアップし、恩恵は大きい

 ファーウェイは、最新スマートフォン「HUAWEI P10 Plus/P10」では、Leicaとパートナーシップを組み、カメラ機能を強化した。ノートPC「HUAWEI MateBook X」では、やはり世界的に有名なドルビーとパートナーシップを組み、従来の「PCは音質が悪い」というイメージを覆す、豊かで没入感のある高音質を目指した。
 
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ドルビーアトモスの音響イメージ

 ドルビーといえば、映画館のドンドン、ズンズン、という響きでおなじみ。映画好きなら誰もが知っているだろう。ファーウェイの担当者は、「HUAWEI MateBook X」の開発にあたり、PCで、映画やドラマなどの動画コンテンツの鑑賞中に動作音が気にならないようにファンレス設計を取り入れ、没入感を高めるため、フルHDを超える高い解像度(2K)やベゼルレスのデザインにもこだわったと明かした。

「MateBook X」の実機を分解すると……

 「HUAWEI MateBook X」の放熱の仕組みは、宇宙航空技術を応用した独自の放熱システム「HUAWEI スペース・クーリング・テクノロジー」によるもの。放熱ファンを備えた一般的なPCでは、長時間続けて使用するとファンの動作音が気になり、気が散ちがちだが、ずっと静かなので集中しやすい。
 
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分解された「HUAWEI MateBook X」。
大きな放熱板(右)で熱を吸収し、本体に伝わらないように工夫している

 スピーカー部分は、外観からは一つのライン状に見えるが、分解されたパーツをみると、2つのステレオスピーカーの位置は分かれている。ドルビーアトモスの特徴である、音が頭上で動き回る響きを、画面に音を反射させ、上方向に響かせることで再現するためだ。
 
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外観はすっきりとシンプルだが、作り込まれた内部。スピーカーはこのクラスとしては大きいという

 この仕組みから、立体的な音響を感じられるベストポジションは、ディスプレイ正面の中央に向き合って座った位置。実機によるドルビーアトモスコンテンツのデモサウンドの再生は、一人ひとりベストポジションで試すことができ、再生中にPCから少し離れたり、PC本体を持ち上げたりすると、確かに聴こえる音の感じが変わった。

 ドルビーパートで共同開発の経緯を話したDolby Japanの大沢幸弘社長は、「HUAWEI MateBook X」の臨場感あるサウンドは、オーディオ機器にも劣らないと絶賛した。A4サイズクラスのノートPCとしては大きめのスピーカー、ファンレス設計を筆頭に、スマホで培ったモビリティ技術の粋を惜しみなく投入した「HUAWEI MateBook X」は、家でも外でも、インターネットにつながるノートPCさえあれば、どこでも自由に、仕事やサイドワーク、動画鑑賞などに集中できる、現時点の最新機能を詰め込んだ1台といえるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)