10月に発売が決定した「PlayStation VR(PSVR)」。4万4980円という価格設定がライバル機と比較すると手頃ということもあり、VR体験普及を後押しする存在になるのではないかと各所で期待を集めている。

多彩なジャンルのコンテンツ満載、多人数プレイ可能なゲームも用意


 今回の体験会には、すでにVR体験がある筆者だけでなく、VR初体験の「BCNランキング」の細田編集長が同行。数十年ぶりというテレビゲームに没頭してもらった。

 VRはまさに“百聞は一見に如かず”の体験だ。冒頭に体験した深海を探索するシンプルなデモコンテンツからすでに「想像以上のリアリティ」ともらす細田編集長は、上下左右を見回し、ディティールまでつくりこまれた世界に感心した様子。
 


VR空間で深海を探索する「BCNランキング」の細田編集長

 「PSVR」のコンテンツは、プレーヤーの視界がそのままテレビに映し出されるため、周囲で見守る側もコンテンツ(とプレーヤーの反応)を楽しむことが できる。デモが進み、美しい幻想的な光景から一転、暗闇に支配された恐怖の深海に様変わりすると、細田編集長も心もとない表情に。突然、サメが飛び出して くる場面では思わず体をのけぞらせていた。
 


サメの出現に思わず体をのけぞらせる細田編集長

 感嘆や恐怖のリアリティだけがVRの魅力にはあらず。エクシングのカラオケ「JOYSOUND」をVR化した「JOYSOUND VR」では、アイドルユニットに交じってライブに参加にすることができる。もちろん観客サイドではなく、歌い手としてである。再現するのは舞台上だけでは ない。なんとコンテンツはライブ前の楽屋からスタート。メンバーに声をかけられる演出も憎い。もうこの時点で自分がメンバーの一人であるような錯覚を覚え るほどだ。
 


疑似ライブを味わえる「JOYSOUND VR」、
写真はライブ前の楽屋裏でのメンバーとのやりとり

 本編のライブパートでは、正面よりやや下に歌詞が表示されていた。曲の進行に合わせて文字色が変化するのは通常のカラオケのままだ。メンバーといっしょ にダンスをするもよし、歌に没頭するもよし。オンステージの高揚感は、目の前にリアルの観客がいることでさらに高まる。3Dデータではなく実際に撮影した 映像を元にしているため、臨場感は凄まじい。PS4のメインターゲットである男性層だけでなく女性層も虜にしそうなこの発想が、まさにVRコンテンツの受 け皿の広さを象徴している。
 


メンバーに交じってオンステージ、カラオケでおなじみの歌詞の表示も

 最後に本体購入時にセットで付いてくる「THE PLAYROOM VR」というコンテンツを紹介しよう。PS4発売時にもカメラと連携するARゲーム「PS4 PLAYROOM」というコンテンツが登場したが、これはそのVRバージョン。おまけかと思いきや、搭載しているミニゲームはどれもVRの魅力がつまった ものばかり。VRヘッドセットを装着していないプレーヤーも画面を眺めるだけでなくゲームに参戦することができる点がおもしろい。

 例えば、VRヘッドセットを装着したプレーヤーがネコ、非装着プレーヤーがネズミ(最大4人)となりチームに分かれて競う「Cat&Mouse」。
 


「THE PLAYROOM VR」内のミニゲーム「Cat&Mouse」

 ネズミはネコの目を盗んで床に散らばったチーズを集め、ネコはカーテンに隠れながらちょこまかと動き回るネズミを捕まえる。要はVRを利用した「だるまさんがころんだ」だ。
 


最大4人で楽しめる「THE PLAYROOM VR」のプレイ風景

 VRヘッドセットの画面とテレビ(非装着プレーヤー側)に映る視点がそれぞれ異なるので、同じ場所にいながらフェアかつ白熱した対戦が楽しめる。 “VR”もあくまで“ゲーム”の新しいカタチと捉えるPlayStaitionだからこそ生まれたプレースタイルといえるだろう。

 VRゲームはオンライン対戦にも対応予定。オフラインだと上記の方法以外にはまだ対応タイトルは発表されていない。現在の性能だと「PS4」一機で使用 できる「PSVR」は一機に限られるということだ。今後どのように“ゲーム”としての“VR”を盛り上げていくのか気になるところだ。

 発売まであと半年。すでにPSVRのコンテンツ制作に230社以上が名乗りを上げ、160本以上のタイトルを開発中、16年末までには50本以上の発売を目指す。ソフトウェアの拡充に期待しながら、そのときを待ちたい。(BCN・大蔵 大輔)