業界初センサー搭載のエアコン、日立が「Xシリーズ」発売へ

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2015/09/17 14:19

 日立アプライアンスは10月31日から、床素材の判別や天井の温度、下がり壁などを検知できる業界初のカメラセンサーを搭載した「ステンレス・クリーン 白くまくん」Xシリーズ10機種を発売する。


「ステンレス・クリーン 白くまくん」Xシリーズ

フローリングや畳、カーペットを判別するカメラ

 Xシリーズは、新たに「くらしカメラ 4」と「ステンレスフラップ 6」を搭載した。「くらしカメラ 4」は、従来機種に搭載していた「画像カメラ」「温度カメラ」「ものカメラ」に新しく「お部屋カメラ」を加えた合計4つのカメラで構成される。本体吹き出 し口上のセンター部分に設置している。

 「画像カメラ」は人の位置や活動量や間取りを。「温度カメラ」は人の周囲温度や天井、床、窓の温度、「ものカメラ」は、ソファやテーブルなどの位置と形 状を検知する。新たに搭載した「お部屋カメラ」は、フローリングや畳、カーペットなど、床の素材やカウンターキッチンのような下がり壁、吊戸棚、窓の位置 や大きさまで判別できる。
 


Xシリーズに新搭載した「くらしカメラ 4」


「画像カメラ」「温度カメラ」「ものカメラ」「お部屋カメラ」の4つのカメラから構成される「くらしカメラ 4」

 床の素材まで判別できるのようにした理由は、日本の住環境だとフローリングの部屋の隣に畳の部屋があったり、ソファやテーブルの下にカーペットが敷かれ ているなど、異なる床材が混在している。床の表面が同じ温度でも、「接触温冷感」という人の足が感じる温度は異なるためだ。
 


日本の住宅環境はフローリングや畳、カーペットが混在している

 実際にモデルを使ったデモで、床の表面温度は約20℃だがフローリングを踏んでいる方の足の裏とカーペットを踏んでいる方の足の裏では温度が違った。フローリングの方が、足裏の温度を吸収するためにひんやりと感じるわけだ。
 


フローリングとカーペットの表面温度が同じでも、足の裏の温度は異なる

 「お部屋カメラ」で判別した床材の種類や位置に応じて、暖房運転の場合、フローリングの表面温度は少し高く、カーペットの表面温度は低くなるようにコントロールする。
 

6枚のフラップが別々に動く「ステンレスフラップ 6」

 「ステンレスフラップ 6」は、6枚のフラップから構成されている。たとえば、部屋の奥の人と手前の人に暖かい風を届ける際は、4枚のフラップで大きな風量を、2枚のフラップで 少ない風量を送ることができる。従来機種では、手前のフラップが3枚、後ろのフラップが1枚の「3分割フロントフラップ」だった。

 夏場の冷房運転では天井面からの輻射熱の影響で設定温度を必要以上に下げたり、暖かい空気の影響で重い冷風が下がり、顔などに直接当たって不快に感じることがある。

 Xシリーズでは、「くらしカメラ 4」で天井面の温度を検知し、温度が高いときは「ステンレスフラップ 6」で天井面に向けて冷気を送る。天井面の温度が高くないときは、冷気が人の顔などに直接当たらないように、水平方向よりやや上向きの気流をつくる。
 


冷房運転時は天井面に沿って冷風を送り、天井からの輻射熱を抑えて運転

 価格はオープンで、税別の実勢価格は「RAS-X22F(冷暖房時適用畳数6畳、2.2kW)」が約24万円、「RAS-X25F (8畳、2.5kW)」が約25万円、「RAS-X28F(10畳、2.8kW)」が約26万円、「RAS-X36F(12畳、3.6kW)」が約27万 円、「RAS-X40F2(14畳、4.0kW)」が約28万円、「RAS-X56F2(18畳、5.6kW)」が約31万円、「RAS- X63F2(20畳、6.3kW)」が約33万円、「RAS-X71F2(23畳、7.1kW)」が35万円、「RAS-X80F2(26畳、 8.0kW)」が約38万円、「RAS-X90F2(29畳、9.0kW)」が約41万円となる。 (BCNランキング 細田 立圭志)