音がスゴかったASUS ZenPad 8.0、エンタメ用タブレットとして楽しんだ

特集

2015/08/31 15:01

 ビジネスにプライベートにと、多くのシーンで活躍しているタブレット。特に高い支持を集めているのが、8インチクラスの製品だ。スマートフォン(スマホ)に近い携帯性がありながら、一回り大きな画面で見やすいという利点がある。そんななか注目のモデルが登場した。ASUSの「ASUS ZenPad 8.0」だ。早速実機を入手し、使い勝手をチェックした。インテル製プロセッサ搭載のWi-Fiモデル(Z380C)と、クァルコム製プロセッサを搭載のSIMフリーモデル(Z380KL)があるが、今回はWi-Fiモデルを試した。


ASUS「ASUS ZenPad 8.0(Z380C)」はインテル製プロセッサを搭載したWi-Fiモデル

使い勝手のいいミドルレンジ性能の8型タブレット。

 Wi-Fiモデルの「ASUS ZenPad 8.0(Z380C)」は、8インチのワイド液晶で解像度は1280×800ドット。Intel Atom x3-C3200プロセッサーを採用し、メインメモリは2GB、ストレージは16GBという構成だ。バッテリー駆動時間は約8時間。本体サイズは幅123mm×高さ209mm×奥行き8.5mm、重さは約350g。 

 Androidのバージョンは最新の5.0.2。プリインストールされているGoogleのアプリはもちろんのこと、Evernoteをはじめとする定番のビジネスアプリなどもいろいろと試してみたが、どれも快適に利用することができた。 

 液晶ディスプレイはIPS方式を採用しており、斜めから見ても明るくクリアに表示できる。8インチという特性上、縦だけでなく横向きで使うことも多かったが、動画なども非常にクリアに楽しめた。本体幅は約123mmと8インチモデルとしてはスリムな印象。片手でもしっかりと握ることができた。 
 


背面カバーは横向きデザイン。上部はキャンバス地風で、エンボス加工が施されており滑りにくい

 カメラ機能はリアカメラが500万画素でフロントカメラが200万画素。このあたりは可もなく、不可もなくという印象だ。 
 

別売ジャケットを装着してパワーアップできる

 このように「ASUS ZenPad 8.0」はミドルクラスのタブレット端末として、標準的な仕様を搭載している。超高性能モデルではないが、一般的な使い方をする限りでは、十分なパフォーマンスを発揮する。Wi-Fiモデルのため、あまり外には持ち歩かなかったが、その代わり家庭内では常に持ち歩き、どこでもWebを閲覧したり、仕事中は「ASUS ZenPad 8.0」で音楽を楽しんだりといったエンタメ系の使い方を満喫した。「ASUS ZenPad 8.0」は標準で、高音質化機能「DTS-HD Premium Sound」に対応しており、より臨場感豊かなサウンドが体感できた。 

 さらに面白いのが、別売の「Audio Cover」や「Power Cover」。本体の背面カバーを取り外して、専用のカバーを取り付ける要領で機能UPさせるオプションを装着できるわけだ。 
 


背面カバーは手軽に外すことが可能。カバー内にmicroSDスロットと専用カバー用端子を搭載している

 「Audio Cover」は、その前の通り音をさらに良くできるカバー。カバー部の内側に複数のスピーカーとバッテリーを内蔵し、5.1chのサラウンドサウンドを再現する、ということで実際に取り付けてみた。本体の背面カバーは右下にある切り欠きのところから簡単に取り外すことが可能。取り外したら「Audio Cover」と取り替える感覚で取り付ける。本体背面のカバー内には専用の端子があり、「Audio Cover」を取り付けると自動的にカバーの装着を認識する。 
 


Audio Coverを取り付けたところ。スタンド兼用となり、その前の部分にスピーカーを配置している

 「Audio Cover」を取り付けたらそれでおしまい。複雑な設定などは不要だ。YouTubeにアクセスし音楽コンテンツを再生してみたが、段違いに音が良くなる。「ASUS ZenPad 8.0」の内蔵スピーカーでも、小型のタブレット端末としては十分に音圧のあるサウンドが再現できていたのだが、「Audio Cover」を装着すると、音圧、広がり、ともに比較にならないレベルのサウンドを満喫できた。 
 


高音質化技術「DTS」のロゴもしっかりとプリントされている

 しばらくの間、仕事中に横に置いて、ミュージックビデオを再生したのだが、とてもタブレット端末のサウンドとは思えない音だった。また、音楽だけでなく、映画やドラマなどのコンテンツ視聴にも最適。一般的な5型クラスのスマートフォンと比べると2回りは大きな画面で表示する映像は迫力も満点。そこに広がり感のあるサウンドがプラスされると、臨場感の高さはたまらないレベルだった。旅行先のホテルでちょっと気になっていた映画を楽しんだりするにも最適ではないだろうか。 
 


「Audio Cover」装着時に斜め後ろから見たところ。装着すると厚みはかなり増すのがわかる

 ただし、「Audio Cover」を装着した状態での動画視聴するとバッテリー消費には気をつける必要がある。約7分のYouTube動画をWi-Fi経由で再生しただけで、バッテリーを約7%消費した。長時間の作品を見る場合は満充電にしておくか、充電しながら見るというのが良さそうだ。そういった意味では、Wi-Fi環境で使うタブレットとして明確な個性があるといえそうだ。 

 もうひとつ用意されているのが、バッテリー容量を拡張する「Power Cover」だ。装着することでバッテリー駆動時間が約8時間から約14時間に延長される。モバイルルーターやスマートフォンのテザリング機能と組み合わせて屋外に持ち出して使うシーンで役立ちそうだ。 
 


バッテリー駆動時間を最大約14時間に延ばせる「Power Cover」

 短期間ではあるが「ASUS ZenPad 8.0」を利用して、特に「Audio Cover」の音の良さには満足した。Wi-Fiモデルの8型タブレットに高音質をプラスするだけでここまで楽しく使えるようになるとはあまり考えていなかった。寝転びながら胸の上に置いて動画を見るといった駄目人間製造器のような使い方も楽しい。小型ながらもエンターテインメント用途に優れたタブレットだ。Wi-Fiモデルの小型タブレットを求めている方に強くおすすめしたい。