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<地域No.1店舗の売れる秘訣・ZOA厚木店>自作PCユーザーが集う店 いつ来店しても楽しいと思わせる

特集

2015/02/03 10:26

 神奈川県厚木市にあるZOA厚木店は、オープンから約15年が経過し、地元住民なら一度は来店したことがあるというほど、とくに自作PCユーザーとバイク好きが多く集まる店として知られている。地域の競合店に負けない組み立て用PCパーツやバイク関連の品揃えに加えて、PCやバイクにあまり詳しくない人でも気軽に購入できる実用性の高い日用品によって、いつ来ても楽しいと思ってもらえる店づくりに力を注いでいる。


ZOA厚木店
店舗データ
住所 神奈川県厚木市山際613
オープン日 2000年1月
売り場面積 約985m2
従業員数 10人弱

住宅街で2000年にオープン PCパーツ店で競合はいない



 神奈川県のほぼ中央に位置する厚木市。県央地域の物流拠点として発展しているほか、小田急小田原線の本厚木駅などがあって、都心に勤務する人のベッドタウンとしても定着している。その住宅街の一つである山際は、古くから住んでいる人が多く、また近くに工場もあって工業団地も多い。主要道路として神奈川県平塚市から相模原市を結ぶ国道129号が通り、クルマ社会でもある地域だ。

 また厚木市には家電量販店として、ノジマが厚木本店を出店しているほか、ヤマダ電機がテックランド厚木店とダイクマテックランド厚木店の2店舗を構え、コジマNEW厚木栄町店などもあって、激しい競争を繰り広げている。そのなかで、PCパーツ専門店として一線を画した店舗がZOA厚木店だ。

ZOA厚木店は国道129号沿いに出店

自動車の往来が激しい国道129号から少し外れた、ZOA厚木店の近くは住宅街が広がる

 ソフマップ厚木店やTWOTOP厚木店など、かつてはPCパーツの販売に強かった専門店も厚木市に出店していた。しかし、自作PCユーザーの減少やPCの低価格化などによって、PCパーツ専門店は閉店の道をたどり、今ではZOA厚木店だけが専門店として残っている状況だ。山下将史店長は、「当店には、昔ながらのPCに詳しいお客様が多くいらっしゃる」と、自作PCユーザーを常連客として確保していることに自信をみせる。ZOAのもう一つの強みであるヘルメットなどバイク関連商品によって、「バイク好きのお客様も多い」という。自作PCユーザーとバイク好きはリンクする点が多く、「当店は、PCを自作されていて、なおかつバイクが趣味のお客様を獲得している」。ほかのPCパーツ専門店にはない販売スタイルによって、生き残ったというわけだ。しかも、「家電量販店とは競合しない。『PCパーツならZOA』というイメージが根付いている」とアピールする。

あると便利な日用品が目を引く PC以外のサービスも充実



 ZOA厚木店の売り場面積は約985m2。バイク関連商品も置いているからだが、PCパーツ専門店のなかでは大きいほうなので、「PCパーツの品揃えは地域でNo.1と自負している。しかも、東京・秋葉原の電気街などと異なって、お客様がゆっくりと商品を選ぶことができるよう、通路を広く確保している」と、山下店長は説明する。

 常連客が定期的に来店することに加え、近所の住民も来店するケースが多い。山下店長は、「それは、あると便利な日用品を多く揃えているから」という。例えば携帯電話デジタルカメラなどに対応したマルチ充電器、PCやエアコンの掃除に便利なエアダスターなどを販売している。また、USBひざ掛け毛布などの季節用品も用意している。お菓子やペットボトルなど、食料品も充実している。山下店長は、「用途が一目でわかる商品があることを認識していただき、お客様が気軽に来店できる環境を整えている」としている。日用品は、店舗の入口近くで、しかもレジの近くに置いている。自作PCユーザーがPCパーツなどの買い物ついでに購入するので、「客単価を上げることにつながっている」とのことだ。

「それは、あると便利な日用品を多く揃えているから」という

 また、サポートサービスが充実していることも来店者を増やす要因になっている。PCの出張サービスに加えて、今年になって開始したのがパッケージ化した家事代行サービス。メニューとして、エアコンをきれいにする「エアコンおそうじパック」をはじめ、ガスコンロを掃除する「キッチンおそうじパック」、洗濯や洗い物を行う「家事おてつだいパック」など、10種類弱を用意。掃除は専門業者のスタッフが担当する。山下店長は、「ハウスクリーニングは、どこに頼めばいいのかわからない人が多い。店舗でパッケージとして気軽に購入できるという点で、お客様に好評」と自信を示す。

パッケージ化した家事代行サービス

 市場では自作PCユーザーが減少傾向にあるものの、ZOA厚木店は自作PCユーザーを古くからの常連客として確保できていて、さらに「PCをつくる喜びを少しでも多くのお客様に知っていただきたい」(山下店長)。そこで販売しているのが、自作PCキットだ。きょう体から内蔵パーツまでの組み立てPCに必要なアイテムをセットにしたモデルや、内蔵パーツだけを揃えたモデルなどがある。「まずは自分好みのPCを所有することから始めていただく」との意味合いから組み立て代行も実施している。

自作PCキットだ

 バイク関連も、ヘルメットを中心に「品揃えは、ほかの店舗に負けない」(山下店長)とアピールするほど充実している。このような取り組みで、ZOA厚木店は厚木市に根付くことになったのだ。

ヘルメットを中心に

店長が語る人気の理由――山下将史 店長



 2003年に入社し、まずはZOAの本拠地である静岡県で現場を経験し、富士市にある店舗で店長を務めた。本社でウェブ関連の業務にも携わり、厚木店で店長代理に就任。その後、秋葉原や相模原の店舗を経験して昨年11月に厚木店に店長として戻ってきた。

 「相模原はライトユーザーが多いが、厚木店はPCに詳しい常連客が多い。お客様の質問に対応できる接客スキルを、さらに高めなければならない」と胆に銘じる。スタッフは、PCパーツやバイク関連を問わず、すべてのアイテムを説明できるようにしている。もちろん、サポートサービスに関しても、わかりやすく説明する。人材を強みに成長を目指す。