キヤノンは、デジタルビデオカメラ「iVIS（アイビス）」シリーズの新製品として、赤ちゃん撮影用の「ベビーモード」やワイヤレス送信機能を備えた「iVIS HF R42」と、高画質でマニュアル機能を搭載する「iVIS HF G20」の2機種を、2月下旬に発売する。

　「iVIS HF R42」は、35mmフィルム換算で約38.5～1232mm相当の光学32倍ズームレンズと、有効画素数約207万画素のフルHD対応CMOSセンサを搭載する。演算処理能力を向上した映像処理プラットフォーム「DIGIC DV 4」を備え、AVCHD/MP4形式で1080/60pで撮影できる。手ブレ補正機能は、歩行、望遠撮影、マクロ、三脚使用など、撮影状況に応じて最適な防振効果を得られる「マルチシーンIS」を搭載する。

　歩きながら撮影する際の手ブレを補正する「ダイナミックモード」では、回転軸、水平回転軸、縦回転の補正能力を向上することで、画像の歪みを大幅に軽減するとともに、新たな5軸方向の手ブレ補正機能によって、ブレを抑えた滑らかな映像を実現する。

　赤ちゃんの誕生日を登録することで、撮影時に自動算出した生後日数をスタンプとして記録する「ベビーモード」を新搭載。身長・体重をスタンプにして映像に貼りつけることもできる。撮影した映像は、「ベビーアルバム」に自動保存するので、他の撮影映像と分けて管理できる。また、赤ちゃんの成長を時系列で見ることができる日付順での再生に対応する。

　バッファメモリに常時3秒間分の映像を記録する「プレREC」機能で、録画スタートボタンを押す3秒前から記録することで、シャッターチャンスを逃さず撮影できる。

　このほか、映画のような雰囲気の映像を記録する7種類の「シネマルックフィルター」や、画面に手書き文字やスタンプ、アニメーションなどを加える「タッチデコレーション」を搭載する。

　IEEE802.11b/g/nに準拠した無線LAN機能を備え、撮影した映像の携帯端末やPCへのワイヤレス送信に対応。携帯端末へのワイヤレス送信では、従来のiOS端末に加え、新たにAndroid端末への送信にも対応した。

　iOS/Android対応アプリ「CameraAccess」を使えば、携帯端末で映像を離れた場所からモニタリングできる。携帯端末から撮影の開始/停止、ズームなどのリモート制御機能や、バッテリ残量、記録可能時間、ズーム位置などの情報を表示する機能も備える。

　内蔵メモリは32GB。対応メディアは、SDXC/SDHC/SDカード。サイズは幅53×高さ57×奥行き116mmで、重さは約235g。カラーは、ピンク、レッド、ブラック、ホワイトの4色。価格はオープンで、「キヤノンオンラインショップ」での価格は5万4980円。 

　「iVIS HF G20」は、業務用HDビデオカメラ「XF105」と同じ光学性能の35mmフィルム換算で約30.4～304mm相当の光学10倍ズームレンズと、有効画素数約207万画素の「HD CMOS PRO」センサを搭載する。

　「HD CMOS PRO」センサは、従来機種の「iVIS HF G10」と比較して約20％の感度向上を実現。最低被写体照度が約1.5ルクスから約1.2ルクスに向上し、より暗い環境で撮影できる。また、広いダイナミックレンジによって、明暗差の大きいシーンでの白トビや黒ツブレを低減し、人物の肌を滑らかな階調と自然な色調で表現する。

　被写体の変更時に、被写体までの距離を計測してすばやくピントを合わせる「ハイスピードAF」や、自然なフォーカス速度の「ミディアムスピードAF」を搭載する。

　このほか、撮影状況に応じて最適な防振効果を得られる手ブレ補正機能「マルチシーンIS」や、人物の顔を検出してきれいに撮影する「フェイスキャッチテクノロジー」、撮影シーンを判別して最適な設定や画像処理を行う「こだわりオート」、撮影シーンを選ぶだけで最適な録音設定ができる「オーディオシーンセレクト」を備える。

　不要な外光の映り込みを抑制するバリアつきレンズフードを搭載。スライド切替えで開閉するレンズバリアを備え、レンズキャップを着脱する必要はない。また、業務用ビデオカメラ「XA10」も採用している大型アイカップつきカラービューファインダーと3.5インチ液晶モニタを搭載し、ビューファインダーと液晶モニタへの同時映像表示に対応する。

　内蔵メモリは32GB。対応メディアは、SDXC/SDHC/SDカード。サイズは幅95×高さ82×奥行き210mmで、重さは約575g。価格はオープンで、「キヤノンオンラインショップ」での価格は10万8000円。