Wi-Fi接続のDVDドライブが誕生 スマートフォン/タブレットでDVDビデオを楽しむ

レビュー

2012/12/18 20:01

 いまや多くの人が持っているスマートフォンやタブレット端末。電話やメールの送受信に加え。ウェブサイトの閲覧や動画や音楽の視聴など、できることはもはやPCと変わらない。そしていま、スマートフォン/タブレット端末の使い勝手をさらに強化する製品が登場した。それがWi-Fi機能を搭載したDVDドライブ、ロジテックの「LDR-PS8WU2BKW」だ。

ロジテックのWi-Fi搭載DVDドライブ「LDR-PS8WU2BKW」

スマートフォン/タブレットにDVDドライブを接続



 ロジテックの「LDR-PS8WU2BKW」は、Wi-Fi機能を搭載したポータブルDVDドライブだ。本体にサーバー機能を備え、USB端子のないスマートフォン/タブレット端末にワイヤレスでDVDのデータを送ることができる。つまり、スマートフォン/タブレットでDVDビデオを視聴できるのだ。

 コンセントに接続すると、本体後部にあるWi-Fiランプが点灯する。本体底面のシールにSSIDやパスワードが記されているので、それを接続するスマートフォン/タブレットに入力しよう。

底面に記されているSSIDやパスワードで簡単に接続

 続いて、視聴用のアプリを設定する。GooglePlayかiTunesストアから専用アプリ「Logitec Wi-Fi DVD」をダウンロードしよう。

アプリは事前にダウンロードしておく

 端末をWi-Fiで「LDR-PS8WU2BKW」に接続した状態で、アプリを起動する。初回起動時に端末を「LDR-PS8WU2BKW」に登録するステップが始まるが、画面の指示に従って「はい」を押すだけ。次に、アプリ画面上の「DVD Player」をタップする。プレーヤー画面に切り替わるので、「Play」ボタンを押して再生を開始する。これで、スマートフォン/タブレットがDVDドライブとつながり、DVDビデオが視聴できるようになる。

変換や転送の手間なし! 見たいときに見たい場所でDVDを楽しむ



 「LDR-PS8WU2BKW」では、ワイヤレス回線でDVDビデオのデータを直接配信する。このため、コマ落ちなしで表示するには、スマートフォン/タブレット側でしっかりデータをキャッシュする必要がある。また、一定の処理能力も求められ、推奨端末はデュアルコア以上のCPUを搭載するモデルだ。とはいえ、ここ1~2年に発売されたモデルの多くは対応している。

テストしたタブレットとスマートフォン。どれも高画質でDVDビデオが視聴できた

 ワイヤレス回線の伝達距離は約12m。書斎で「LDR-PS8WU2BKW」をセッティングして、寝室のベッドに寝転びながらDVDビデオを視聴するなど、場所を選ばずに楽しむことができる。

 今年の著作権法改正で、DVDビデオをPCに取り込んで変換し、動画ファイルとしてタブレットやスマートフォンに保存する使い方が個人利用の範囲内でも違法となってしまった。「LDR-PS8WU2BKW」なら、法律に反することなく、さらに転送や変換の手間なく所有しているDVDビデオを楽しめる。

Wi-Fi搭載DVDドライブがさまざまなシーンで活躍



 実際に「LDR-PS8WU2BKW」を使っていると、その便利さにちょっと驚かされる。映画やドラマなどをテレビを置いていない寝室で視聴できるし、ライブDVDをタブレットで再生できるので、仕事中、つけっぱなしにしていた。さらにスマートフォンやタブレットなら、ちょっと移動するときも一緒に持ち歩けるのがいい。
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 防水対応のスマートフォンやタブレット端末なら、水まわりでもDVDビデオを楽しめる。ためしに、防水対応の「ARROWS TAB」を浴室に持ち込んだ。ふだんは烏の行水で、しっかり湯船に浸かることは少ないのだが、DVDを見ながら、ゆっくりと半身浴を楽しみ、たっぷり汗をかくことができた。

防水対応のスマートフォン/タブレットで浴室でDVDを楽しめる

 「LDR-PS8WU2BKW」には、クルマのシガーソケットから電源を供給できる車載用コンバータ「LPA-IVT100BK」が付属するモデルもある。長距離ドライブのときなどに、子どもにDVDビデオを見せることができて重宝する。もちろん、ワイヤレスで転送するので、ミニバンの3列目に座っていても、端末は目の前に置くことができる。また、USB端子があるので、スマートフォンやタブレットの充電も可能だ。

シガーソケットにつないでクルマのなかでDVDを楽しむ

DVDプレイヤー以外の機能も搭載 PCでも利用できる



 専用アプリ「Logitec Wi-Fi DVD」は、DVDビデオの再生機能のほかにもさまざまな機能を搭載している。例えば、「Video Player」は、DVDビデオ以外の動画ファイルを再生する機能だ。背面のUSB端子にUSBメモリを装着することができ、USBメモリに保存した動画ファイルを再生できる。ただし、対応コーデックの情報はまだ公開されていないので、今後の情報公開を期待したい。また、音楽CDの再生機能で、音楽ファイルを取り込んでいないスマートフォン/タブレットでも音楽を楽しめる。

Photo BackUp機能のステップ。左から、転送する写真を選んで、記録先メディアを選択。転送を実行する

 これらの機能のなかでも便利だったのが、「PhotoBackup」機能だ。これはスマートフォンやタブレットに保存している写真を空のDVD-RディスクやUSBメモリにコピーする機能。ディスクコピーに関しては、ワイヤレスで転送する関係上、1倍速限定で、ディスクも1回でクローズしてしまうので使い勝手には課題が残るが、USBメモリへのコピーはすばやくできた。スマートフォン/タブレットの画像を誰かに渡したいとき、バックアップしたいときに活用できる。

USBメモリに対応。データを記録できるだけでなく、メモリ内のデータの閲覧もできる

 もちろん「LDR-PS8WU2BKW」は、USBケーブルでPCに接続できる。USBバスパワーで動作するので、外出先でDVDドライブが必要になったときに便利だ。なお、PCに接続したときは、ワイヤレス機能は停止する仕組み。PCとWi-Fiを同時には利用できないので注意しよう。

PC接続時は最大8倍速での読み書きに対応

 「LDR-PS8WU2BKW」は、スマートフォン/タブレットの利用シーンをさらに広げてくれる周辺機器だ。自宅で、場所を選ばず、自由にDVDビデオを楽しめるのは、思いのほか便利だった。「LDR-PS8WU2BKW」で、眠っているDVDのアーカイブスをもう一度楽しもう。(デジタル&家電ライター/コヤマタカヒロ)