リコー、HOYAの「PENTAX」デジタルカメラ事業を買収

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2011/07/01 18:20

 リコー(近藤史朗社長執行役員)とHOYA(鈴木洋代表執行役)は、7月1日、HOYAが「PENTAX」ブランドで展開しているPENTAXイメージング・システム事業をリコーが買収することで合意し、契約を締結したと発表した。

左から、リコーの近藤史朗社長執行役員とHOYAの鈴木洋代表執行役

 HOYAは、2008年3月にペンタックスを吸収合併し、PENTAXイメージング・システム事業を展開してきたが、経営資源の選択・集中の取り組みの一環として、リコーへの譲渡を決定した。リコーは、PENTAXイメージング・システム事業の買収によって長年の課題だったコンシューマ事業を確立し、デジタルカメラをはじめ、より消費者に焦点を当てたサービスを提供していく。

 今回、HOYAがリコーに譲渡するのは、デジタルカメラ・交換レンズ、デジタルカメラアクセサリ、セキュリティカメラ関連製品と双眼鏡など光機製品の開発・製造・販売事業で、それ以外のデジタルカメラモジュール、DVD用ピックアップレンズ、内視鏡、人工骨、音声合成ソフトウェアの各事業は、引き続きHOYAが展開していく。

 買収の結果、リコーはデジタルカメラなどの製品の一部で、またHOYAは内視鏡などで、ともにPENTAXブランドを使用。相互でPENTAXブランドの価値を高めるため、協力を進めていく。

 買収は、HOYAが今年10月1日付(予定)で新設する子会社にPENTAXイメージング・システム事業を吸収分割・事業譲渡によって承継させ、新設会社の全発行済み株式をリコーが取得する。経営権移転後も、リコーは完全子会社としての事業運営を行う予定。

 量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、レンズ一体型/交換型を合算した2010年のデジタルカメラのメーカー別販売台数シェア1位はキヤノン(20.8%)で、HOYAはシェア3.6%で8位、リコーはシェア2.6%で9位と、ともに低迷している。ただしHOYAは、現在、レンズ交換式デジタルカメラの販売台数の7割弱を占める「デジタル一眼レフ」タイプに限ると、キヤノンとニコンに続くシェア3位のメーカー。6月23日には、新開発の「Qマウント」システムを採用したレンズ交換式デジタル一眼カメラ「PENTAX Q」で、近日中にミラーレス一眼市場にも参入することを発表している。

近日中に発売すると発表していた「PENTAX Q」


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。