「BCN AWARD 2011」特集 メーカーの競争が加速、僅差の勝負が増加

特集

2010/10/18 19:24

 PC・デジタル製品の年間販売数量No.1メーカーを称える「BCN AWARD 2011」まで、3か月を切った。10月以降、店頭では各ジャンルで競争が激しさを増し、僅差の勝負が繰り広げられている。この連載では、実売データ「BCNランキング」から、店頭での人気ジャンルや競争が激化しているジャンルをピックアップし、メーカーによるシェア争いの「今」を検証する。今回は、2010年1月1日~10月10日までの累積シェアでレポートする。

0.1~0.2ポイント勝負の液晶ディスプレイ、軍配はどちらに!?



 液晶ディスプレイ市場は、1位と2位の差が0.1~0.2ポイントのし烈なシェア争いだ。1位の三菱電機は、19.9%でトップを確保。追撃するLGエレクトロニクス・ジャパンは、19.7%で2位をキープしている。片や超解像技術に焦点をあてる三菱、こなた3Dと超解像技術の両輪で攻めるLG。両社の戦いは、国内メーカーと海外メーカーの勝負という点でも注目を集めそうだ。


来店法人客を狙え! キヤノンとブラザーの戦いが続くページプリンタ



 激しいシェア争いが続くページプリンタ市場。1月1日~10月10日までの累積シェアは、キヤノンが36.4%でトップを走り、ブラザー工業が35.6%で続く。ページプリンタは、法人客が店頭で購入することが多い商品。「コスト削減」を謳うなど、アピールポイントがほかのジャンルと異なるのがおもしろい。いかに法人をくすぐるプロモーションができるかが、勝負の分かれ目だ。


テレビの薄型化で人気のサラウンドシステム、オンキヨーがトップ堅持



 テレビの「音」にこだわる人が増えている。薄型テレビの内蔵スピーカーに飽き足らず、音にも映像同様の高いクオリティを求める人たちに人気を博しているのが、サラウンドシステムだ。ここは、オンキヨーが19.4%でトップ、ヤマハが13.3%で2位と、やはりAVメーカーの老舗が高いシェアを獲得している。年末商戦では、デモコーナーの増床など、量販店がどのように盛り上げていくのかが楽しみだ。


「手軽に個性」をアピール、スマートフォンアクセサリ



 携帯電話+情報端末という、多種多様な機能をもつ非常に身近なパートナー、スマートフォンの人気がぐんぐん伸びている。これに伴って、機能を強化したり、個性を演出したりするアクセサリ市場に、急成長の兆しがみえる。トップは専用ケースのラインアップを多く揃えるレイ・アウトで、19.8%。続いて、テレホンリースが17.4%、エレコムが13.4%。人気が高く、しかも1位から3位までのシェア差が6.4%という激戦区だ。

※初出のデータに誤差があったことが判明したため、10月26日、グラフと記事の小数点以下の数値を修正いたしました。


シーズンインで活況のデジタルビデオカメラ、ソニーがトップを維持



 運動会シーズンの10月。首都圏ではあいにく9日と10日の天気が悪く、首都圏では11日に運動会が集中したという。親なら誰しも「子どもの晴れ姿を記録に残したい」と思うもの。デジタルビデオカメラを購入動機は、「子どもの成長記録」が不動の1位だ。販売シェアトップも不動で、ソニーが37.4%で首位を走る。2位はパナソニックで、22.1%だ。3D撮影が楽しめるモデルが登場するなど、新たな動きがあって楽しみなジャンルだ。


地デジ化でデジタルチューナーが注目を集める、老舗のマスプロがトップ



 2011年7月に地上デジタル放送への移行を控え、販売が伸びているデジタルチューナー。今あるアナログテレビで地デジが視聴でき、「出費を抑えながら地デジ化したい」という人にはうってつけの商品だ。28.1%のシェアトップはアンテナの老舗メーカー、マスプロ電工。2位で17.6%のバッファローを大きく引き離している。(BCN・佐相彰彦)



*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで129品目を対象としています。