東芝、3Dテレビ8モデルを一挙発表、「CELL REGZA」第2世代と「REGZA」

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2010/07/28 21:47

 東芝は、7月28日、「CELL REGZA(セル レグザ)」と「REGZA」の3D対応液晶テレビ計8モデルを一挙に発表した。8月下旬から順次発売する。フラッグシップである「CELL REGZA」は、「究極の3Dの追求」をテーマに、ラインアップを強化。初代機の後継にあたる55V型の新製品のほか、新シリーズ「CELLレグザスリム」として、55V型と46V型の計3モデルをラインアップする。さらに「REGZA」の3Dテレビ2シリーズ計5モデルを投入。大手各社の3Dテレビが出揃うなか、3Dのラインアップを充実させることで、エコポイント特需を見据えた年末商戦でシェア底上げを目指す。3D「REGZA」の価格は、「3Dテレビの普及価格帯といえるほど」(大角正明・東芝ビジュアルプロダクツ社社長)とするなど、競争力のある価格に設定している。

3D対応「CELL REGZA」は3モデル、スリムタイプもシリーズ化



 09年年末に発売した高級機「CELL REGZA」の新製品は、従来と同じ55V型で最高峰にあたる「55X2」と、「CELL REGZAをもっと使ってもらう」(大角ビジュアルプロダクツ社社長)ことを目指して、新たに55V型「55XE2」と46V型「46XE2」のXEシリーズ「CELL REGZAスリム」をラインアップ。これによって、「CELL REGZA」は2シリーズ計3モデルとなる。CELL=CPUをフルに生かした3D超解像技術、高画質2D3D変換技術、業界トップクラスの高輝度3D映像を強みとする。3D映像の伝送方式は、画面を左右に2分割して、左目用と右目用の画面を同時に送信するサイドバイサイド方式。3D映像は、専用グラスをかけて視聴する。 

新シリーズの3D対応「CELL REGZAスリム」には46V型が登場

 「CELL REGZA」は、チューナーとして地上デジタル×11基、BS・110度CSデジタル×2基を搭載。3TBの内蔵HDDやUSB接続HDDに、地デジ放送を最大8チャンネル同時に録画できる。また、高性能プロセッサ「Cell Broadband Engine」による「CELL REGZAエンジン」を採用することで、3D放送の映像を高精細に映し出す「CELL REGZA 3D超解像技術」や、2D映像から奥行きを高精度に推定して3D映像を生成する「CELL REGZA 2D3D変換」機能などを搭載した。

 さらに、動画応答性を改善する4倍速240Hz液晶パネルを採用し、フレーム補間技術「ハイスピードクリア4倍速」を搭載することで、動きの速い画面でのボケ感を抑え、切れのよい映像を映し出す。地上デジタル放送などの1/60秒間隔のオリジナル映像に対して、補間フレームを3枚挿入し、より滑らかな動画再生を実現している。 

大角正明・東芝ビジュアルプロダクツ社社長

 CELL REGZA「55X2」には、フレーム補間技術「ハイスピードクリア4倍速」に加え、エリアを分割してバックライトを点滅させることで、人の目に記憶された1枚前の残像を低減する「Wスキャンハイスピード4倍速」を搭載。滑らかで躍動感ある映像を実現した。実勢価格はCELL REGZA「55X2」が100万円前後。10月下旬に発売する。CELL REGZAスリムの55V型「55XE2」が70万円前後、46V型「46XE2」が60万円前後の見込み。それぞれ3Dグラスが一つ付属する。発売は10月上旬。

「REGZA」の3Dテレビは最上位「ZG1」と最薄29mmの「F1」



 「REGZA」の3D対応液晶テレビは、高画質と録画再生機能にこだわった最上位の「ZG1シリーズ」3モデルと、デザイン性と環境性能を両立した新コンセプト「エコロジカルスタイリッシュモデル」の「F1シリーズ」2モデルの計5モデル。「CELL REGZA」と同じサイドバイサイド方式で、専用グラスをかけて視聴する。 

REGZAはヤコブ・イェンセン氏のデザインによる業界最薄の「F1」などをラインアップ

 最上位の「ZG1シリーズ」は、55V型「55ZG1」、47V型「47ZG1」、42V型「42ZG1」の3モデルで、USB接続HDDを4台同時接続、LAN接続のHDDは8台同時接続が可能。高画質映像処理システム「REGZAエンジンDuo」によって、高精細の3D映像を再現するほか、2D映像をリアルタイムに3D映像に変換する「高画質2D3D変換」機能に対応する。

 「F1シリーズ」は、55V型「55F1」と46V型「46F1」の2モデル。ヤコブ・イェンセン氏によるデザインを採用するなど、業界最薄の奥行き29mmを実現したことが特徴だ。また「46F1」については、年間消費電力量が3D対応テレビ市場で最小の160kWhという省エネ化を図った。USB接続の外付けHDDでの録画が可能。

 価格は「ZG1シリーズ」の55V型「55ZG1」が45万円前後、47V型「47ZG1」が35万円前後、42V型「42ZG1」が28万円前後の見込みで、10月下旬の発売。「F1シリーズ」の55V型「55F1」が43万円前後、46V型「46F1」が33万円前後の見込みで、8月下旬の発売。「購入時点では、3Dの視聴はもう少し先にしようと考えているユーザーもいる」(岡田淳・映像マーケティング本事業部日本部部長)ことなどから、3Dグラスは別売とした。

レコーダーのブランドも「REGZA」に統一



 ブルーレイレコーダー/プレーヤー4モデルも発表した。同時に、今後、レコーダーやプレーヤーなど、テレビと連携する商品群のブランド名を「REGZA」に統一することを表明。液晶テレビ「REGZA」とのリンク機能を充実させ、それぞれのシェア拡大を目指す。今後「VARDIA」ブランドは終息する。 

ブルーレイ3Dディスクの再生に対応した「REGZAブルーレイ」を発表

 「REGZAブルーレイ」と命名したレコーダーの新製品は、ブルーレイ3Dディスクの再生に対応した「RD-X10」、バージョンアップで対応する「RD-BZ800」「RD-BZ700」「RD-BR600」と、ブルーレイ対応で3D非対応の「D-BZ500」の計5モデル。このほか、ブルーレイディスクプレーヤー「SD-BDT1」も発表した。

 各製品とも、USB接続HDDに対応。また、内蔵のHDDに録画した番組をチャプター単位で組み合わせてプレイリスト化し、BD-R/REにダビングできるなど、ハイビジョンレコーダー「RDシリーズ」独自の編集機能を継承している。記録機能は、DVDにフルハイビジョン映像を記録する「AVCREC」に加え、従来のハイビジョンレコーダー「RDシリーズ」で録画した「HD Rec」のディスク再生もバージョンアップで対応する予定。

 HDD容量2TBの「RD-X10」が22万円前後で、発売は11月下旬。1TBの「RD-BZ800」が15万円前後、500GBの「RD-BZ700」が11万円前後で、ともに9月下旬の発売。320GBの「D-BZ500」が8万円前後の見込みで、9月下旬に発売する。これらは4モデルは、地上・BS・110度CSデジタルチューナーをそれぞれ2基ずつ搭載する。

 500GBの「RD-BR600」は、地上・BS・110度CSデジタルチューナーが各1基のシングルチューナーモデルで、価格は9万円前後の見込み。発売は10月中旬。ブルーレイディスクプレーヤー「SD-BDT1」は、4万円前後の見込みで、発売は8月下旬。