富士通と東芝、携帯電話事業の統合で合意、10月をめどに新会社設立

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2010/06/17 16:48

 富士通(山本正已執行役員社長)と東芝(佐々木則夫代表執行役社長)は、6月17日、携帯電話事業の強化を目的とした事業統合に基本合意したと発表した。2010年10月1日をめどに新会社を設立し、東芝の携帯電話事業を移管したうえで、富士通が新会社の株式の過半数を取得する予定。

 統合によって、両社は国内における携帯電話端末の開発基盤を強化し、競争力のある携帯電話端末を開発することで国内シェアNo.1を目指す。また、双方がもつ小型端末技術などを生かし、今後、市場の拡大が見込まれるスマートフォンで競争力の高い製品を提供していく方針。今後、両社で具体的な検討を行い、7月末をめどに最終的な契約を締結する予定。

 富士通は、NTTドコモ向けに、防水・防塵、指紋センサーなど、独自機能を搭載した端末を提供。東芝は、KDDI(au)を中心に、NTTドコモ、ソフトバンクモバイルの3キャリアに端末を提供してきた。また、2009年に生産を国内から海外へ切り替え、グローバルコストを意識した取り組みを行っている。「BCNランキング」によると、2010年1月-5月の5か月間の携帯電話全体の販売台数に占めるシェアは、富士通が13.7%で2位、東芝が3.5%で9位だった。1位はシャープで26.7%。

富士通のNTTドコモ向け端末「docomo STYLE series F-07B」
(写真は5月20日に開催された製品発表会で撮影したもの)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで128品目を対象としています。