シャープ、携帯電話の09年度冬春モデルを披露、カメラ機能の向上に注力

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2009/11/17 20:38

 シャープは11月17日、各キャリア向けの09年度冬春モデルとして、1210万画素CCDを備えた「AQUOS SHOT」4機種をはじめとした計14機種を披露し、開発戦略を解説した。

「AQUOS SHOT」4機種などの09年度冬春モデルを披露

 新モデルの中で最も注力したのはカメラ機能。同社が行った調査によるとブログやSNSに画像をアップロードするため、大畠昌巳・執行役員 通信システム事業本部長は「ユーザー側ではカメラ機能は今まで以上に必要とされている」と説明した。 

大畠昌巳・執行役員 通信システム事業本部長

 例えば、同社端末でのハイエンドクラスにあたるデジタルカメラケータイ「AQUOS SHOT」シリーズは、09年5月に初めて投入。09年度冬春モデルで発売する第2世代では、1210万画素CCDを搭載することで、画質のさらなる向上を図った。ラインアップは、NTTドコモの「PRIME」シリーズ向けの端末「SH-01B」のほか、ソフトバンクモバイル向けの「AQUOS SHOT SoftBank 940SH」、KDDIの携帯電話ブランド「au」向けの「AQUOS SHOT SH003」「AQUOS SHOT SH006」の4機種。 

「AQUOS SHOT」4機種に1210万画素CCDを搭載

 あわせて、800万画素CCDを備えた「au」向けの端末「SH004」など、6つの中位モデルにも高性能なCCDを採用し、合計10機種とCCD搭載モデルのラインアップを拡充した。

 「09年度の上期(4-9月)に、ドコモの『STYLE』シリーズなど、中位端末の需要が急速に拡大してきた。新モデルでは、ハイエンドゾーンだけでなく、ミドルゾーンの端末にも高画質の撮影ができるCCDを搭載したことで、変化してきた需要に応じる」(大畠執行役員)ことを明らかにした。

 また、「画質向上に加え、ユーザーが内蔵カメラを簡単に使いこなすための提案に力を入れた」と大畠執行役員。例えば、「AQUOS SHOT SoftBank 940SH」を除いた1210万画素CCD搭載の3機種は、タッチパネル式の液晶ディスプレイを装備し、ピント合わせなどをタッチ操作で簡単に行える。このほか、決定的な瞬間をとらえる高速連写や、登録した人の顔を多くの顔から検出し自動的にピントを合わせる顔認証といった機能も搭載した。 

星空をイメージしたLEDイルミネーションを採用した端末も

 機能面での進化に加え、新モデルはデザインを重視。ドコモ「STYLE」シリーズの「SH-02B」と「PRIME」シリーズの「SH-01B」2機種のほか、「au」の「AQUOS SHOT SH003」、ソフトバンクモバイルの「AQUOS SHOT SoftBank 940SH」合計4モデルでは、星空をイメージしたLEDイルミネーションを採用する。メール着信の際などに、本体がまるで星のようにピカピカと輝くのが特徴。

SH-04B

 また、デザイナーやアクセサリーブランドとのコラボレーションで、独特なデザインを実現したモデルも数多い。ドコモ「STYLE」シリーズの「SH-04B」は、アクセサリーブランド「Q-pot」のデザイナー・ワカマツ タダアキ氏が手がけたもので、「とろ~りとける板チョコ」をイメージしたデザインを実現。一方、同シリーズの「SH-05B」は、雑誌「Seventeen」の専属モデル・桐谷美玲さん、波瑠さん、有末麻祐子さんが選んだ3色のピンクをはじめ、10代の女子ユーザーに向けた可愛らしいデザインが特徴。

SH-05B

 こうしたデザインを際立たせたモデルについて、大畠執行役員は「携帯電話をファッションのアイテムとして捉え、ちょっと人と違ったものを持っていたいというユーザーをターゲットにする」と語った。

 なお、10年度の市場動向に向けて、大畠執行役員はスマートフォンの拡大に期待を寄せた。「iPhoneの登場を機に、スマートフォン市場は成長期に入った。今はいわゆるアーリ・アダプターだけでなく、一般のユーザーもスマートフォンを手にとる。そのため、これからも市場が拡大していく可能性が十分にある」と説明した上で、モバイル用OS「Android」を搭載した端末を2010年に投入することを明らかにした。