自然の音や乗り物の駆動音などの「生音」、楽器演奏など、さまざまな音を高音質で録音できる「リニアPCMレコーダー」。この秋、ソニーやオリンパスからサンプリング周波数「96kHz/24bit」に対応する、さらに高音質な新製品が登場した。そこで、こうした高機能モデルの売れ筋を2009年10月の「BCNランキング」で紹介しよう。

 現在リニアPCMレコーダーは、初級機から上級機までラインアップが豊富になり、選択肢が広がってきている。今回取り上げるのは、録音する音のきめ細かさを示すサンプリング周波数が「96kHz/24bit」のモデル。一般的なリニアPCMレコーダーが採用しているのはCDと同じ音質の「44.1kHz/16bit」なので、それよりも高音質の製品だ。

リニアPCMレコーダー 高機能モデル
シリーズ別販売台数シェア トップ5
順位 メーカー名 シリーズ名 周波数/量子化ビット数 発売月
1 ソニー PCM-M10 96kHz/24bit 2009/10
2 オリンパス LS-11 96kHz/24bit 2009/09
3 ローランド R-09HR 96kHz/24bit 2008/03
4 オリンパス LS-10 96kHz/24bit 2008/02
5 ズーム HANDY RECORDER H4N 96kHz/24bit 2009/02

「BCNランキング」09年10月 月次 <最大パネル>
※サンプリング周波数と量子化ビット数「96kHz/24bit」に対応



 それでは売れ筋トップ5を見てみよう。1位はソニーが09年10月に発売した「PCM-M10」。市場推定価格は2万6900円で、上位製品の中ではもっとも手頃な価格だ。同社がこれまで発売したリニアPCMレコーダー「PCM-D50」「PCM-D1」が大型だったのに対し、「PCM-M10」では手のひらに収まるほど小さい。このクラスでは珍しいブラックとレッド2色のカラーバリエーションを揃える。

ソニーの「PCM-M10」、オリンパスの「LS-11」

 2位はオリンパスの「LS-11」がランクイン。こちらも1位と同様、09年9月発売という今秋の最新モデルだ。市場推定価格は4万5800円。従来モデル「LS-10」と比較して、低音域の周波数特性を改善し、より高音質で録音できるようになった。また、メモリ容量も2GBから8GBに増加。以前は別売りだったリモコンも付属し、より使いやすくなった。カラーはシルバー。

 3位にはローランドの「R-09HR」が入った。08年3月と昨年発売モデルにも関わらず上位入り。依然として人気は衰えていない。市場推定価格は3万5100円。本体上部にはステレオマイクを角に装備するほか、「録音中」「待機中」など本体の状態が一目でわかるLEDも搭載する。

ローランドの「R-09HR」、オリンパスの「LS-10」

 4位は、2位の「LS-11」の前バージョンで、オリンパス初のリニアPCMレコーダー「LS-10」。同社のICレコーダーブランド「ボイストレック」とは別のラインアップとして、08年2月に発売した。市場推定価格は3万3900円。本体上部の角には90度の角度でステレオマイクを配置。さらに、マイクの素材にはアルミを用いて、本体の振動を伝わりにくくした。カラーはブラック。

ズームの「HANDY RECORDER H4N」

 5位は、ズームが09年2月に発売した「HANDY RECORDER H4N」。市場推定価格は2万8900円。同社のポータブルレコーダー「HANDY RECORDER」シリーズの最上位モデルで、「H4」の後継機にあたる。録音シーンに応じて外部マイクの角度を90度と120度に調節できる。XLR入力端子とHi-Z入力端子を備え、ステレオマイクと合わせて合計4チャンネルによる録音も可能。本体サイズは上位5モデルの中でもっとも大きい。


 10月現在、リニアPCMレコーダーの主流は「44.1kHz/16bit」で販売台数の67.8%を占めている。その一方で、「96kHz/24bit」対応モデルは9.7%と少ないものの、一定の存在感を示している。この秋、「96kHz/24bit」対応の高機能モデルに新製品が加わったことで選択肢が豊富になり、より好みに合った機種をセレクトしやすくなりそうだ。(BCN・井上真希子)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。

*記事中の「市場推定価格」は、記事掲載時点のものです。市場推定価格は、「BCNランキング」のデータをもとに独自に算出した推定値で、消費税込みの金額で表記しています。