PCの映像再生ソフトと聞いて、単にコンテンツを再生するだけのソフトと考える人は多いだろう。しかし、最近は機能面が充実した製品も多い。サイバーリンクの「Power DVD9 Ultra」もその1つ。そのウリは、普通のDVD映像をブルーレイディスク(BD)並みの高画質で鑑賞できるという「TrueTheaterテクノロジー」だ。今回はこの「Power DVD9 Ultra」を実際に使ってみて、その性能と使いやすさを検証してみた。


最新機能を搭載した、万能プレーヤーソフト



 「Power DVD」シリーズは、PCでDVDなどの映像を再生するソフト。今回紹介する最新版の「Power DVD9 Ultra」は、DVD再生機能に加え、BDの再生にも対応し、さらに幅広いディスクやコンテンツの再生に対応できるシリーズ最上位製品だ。

「Power DVD9 Ultra」と、今回使用したソニー「VAIO type A」

 BDの再生では、ピクチャーインピクチャーなどに対応した「BD Profile 1.1」に加え、新たに「BD Profile 2.0」にも対応。BD-Liveに対応したBDソフトで、インターネットと連携したコンテンツが楽しめるようになった。また、「BD-R 1.1」「BD-RE 2.1」に対応し、BDレコーダーで番組を録画したBDメディアも再生できる。

 加えて、ハイビジョン映像をDVDに記録できる「AVCHD」や「AVCREC」の規格にも対応し、ハイビジョンDVDも再生可能。現在、一般的に利用されるDVD、ブルーレイのほぼすべてのディスク再生が可能なソフトだ。BDドライブを搭載したPCであれば、「Power DVD9 Ultra」を使い、多彩なフォーマットの映像コンテンツを手軽に楽しめるようになる。

注目の「TrueTheaterテクノロジー」を実際に検証



 さらに、注目を集めている機能が「TrueTheaterテクノロジー」だ。その中でも際立っているのが「TrueTheater HD」という、DVDに記録されたSD画質の映像(480P)を、ブルーレイ並みの高画質(1080P)にアップコンバートして鑑賞できるという機能。

 例えば、映画などのDVDコンテンツの映像はSD画質で記録されているため、ブルーレイの映像と比べるとどうしても見劣りする。せっかくハイビジョン対応の高画質なモニタを使っていても、その性能をフルに使えているとはいえない。だが「TrueTheaterテクノロジー」を使えば、SD画質の映像をアップコンバートしながら再生するので、BDと同レベルの高精細な映像でDVDコンテンツを鑑賞できるというわけだ。

左が補正前で右が補正後。画質が向上したのがはっきりとわかる
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 今回はその機能を、フルハイビジョン(1920×1080)の解像度に対応した18.4型ワイドモニタを備えるソニーの「VAIO type A」(VGN-AW70B/Q)で検証してみた。オリジナルのDVDビデオをドライブにセットし、2画面の分割モードで再生。左側に補正前、右側に補正後の映像が表示され、どれだけ映像がクリアに再生されるかがひと目でわかる。このサンプル映像の場合、全体的に映像のシャープになり、草花の輪郭や水面の波紋がよりくっきりと再生されているうえ、色彩も鮮やかに補正されているのがわかるだろう。

自動設定モードで最適な補正映像を手軽に楽しめる



 このほか「Power DVD9 Ultra」は、画質補正機能として、映像のフレームレートを自動で補正し、よりスムーズに再生する「TrueTheater Motion」を搭載している。加えて、映像ノイズの除去機能や、シャープネス・明るさ・色の自動補正機能も備える。これらは標準設定で自動化されていて、DVDをセットするだけで高画質に補正した映像を手軽に楽しめるように設計されている。もちろん、設定のカスタマイズで、自分好みの映像にレベル調整することも可能だ。

画質の補正レベルはスライダーなどで簡単に調整できる

 通常、こうしたソフト上での補正処理は、CPUに負荷をかけるが、「Power DVD9」では自動設定モードで、そのPCのスペックで最適な補正処理を自動的に行ってくれる。また、ノートPCのオンボードVGAをはじめ、最新のハード支援や、電源の最適な制御を行う機能などを備えているのも特徴で、ややこしい設定操作を行う必要もなく、手軽に映像を再生することができる。

 ただ、これだけ充実した映像のアップコンバート機能を備えているものの、この機能が適用されるのはDVDディスクから映像を再生した場合のみ。PCに保存しているSD画質の映像には適用されないのが残念だ。ここは今後のバージョンアップに期待したい。

テレビとつなげば機能豊富なプレーヤー代わりに



 このほか、操作画面には従来の「クラシックモード」に加え、映画コンテンツを鑑賞する際に便利な「シネマモード」を搭載。家庭用プレーヤーと同じ感覚の対話形式で、簡単に操作することができる。さらに、映像のチャプターやムービーコレクションを視覚的に管理・操作できる「ファンシービューナビゲーション」機能を備えるほか、インターネットに接続してDVDやブルーレイタイトルの評価やレビューを入手することもできる。

 このように、通常のレコーダー機器だと本体を買い換えないと手に入らないような新しい機能も、PC用ソフトなら簡単に利用できるというのがポイント。PCとテレビをHDMIケーブルでつなげば、DVD映画タイトルを大画面で、よりきれいな画質で楽しめたり、集めた映像コレクションをより楽しく整理し、鑑賞することもできる。PCに「Power DVD9 Ultra」をインストールし、機能豊富なプレーヤーとして使うという、そんな活用術もオススメだ。(フリーライター・石川貢士)

【今回使用したPCの主なスペック】
ソニー「VAIO type A」(VGN-AW70B/Q
CPU:インテル Core 2 Duo T9400(2.53GHz)
チップセット:モバイル インテル PM45 Express
GPU:NVIDIA GeForce 9600M GT
ドライブ:BDドライブ(DVDスーパーマルチ機能搭載)
ディスプレイサイズ:18.4型ワイド(16:9)
ディスプレイ解像度:1920×1080ドット フルHD
OS:Windows Vista Home Premium(SP1)