メルコホールディングスグループのCFD販売(光田昌弘社長)は、自社ブランド「玄人志向」の製品ラインアップやアライアンスの強化を通じてユーザーニーズの掘り起こしに努める。これまでのように“部品単体”で売り込むだけでなく、用途に合わせたパソコンシステム全体を念頭に置いたマーケティングを積極的に推し進めることで、初心者や自作パソコン(DIY)に興味のある新規ユーザーを開拓。ビジネス拡大を目指す。

 DIYパソコンは、ゲームを楽しんだりCGを制作するといったハイエンドユーザーが需要層の中心を占める。ユーザーが自身に最適なパーツを組み上げてパソコンを組み立てるもので、玄人志向ブランドではグラフィックボードやハードディスクドライブ(HDD)ケースなどの分野で強みを発揮。直近ではパソコン用の電源にも力を入れており、徐々に品揃えを増やしている。

 しかし、ここ数年はDIY市場が伸び悩んでおり、従来型の製品ラインアップで売り上げ増を達成するのは難しい。10月にはDIYに強いパソコン専門店の九十九電機の業績悪化が表面化するなど逆風にさらされている。そこで、玄人志向ブランド製品と他社ブランドを組み合わせて、完成品をよりイメージしやすくする提案を増やす。光田社長は、「ユーザーが求めている課題を解決できるような提案に取り組む」とし、他社製品やパソコン販売店との連携を強化し、DIY市場の拡大を狙う。

 CFD販売はもともとCPUやメモリなどの小売店向けの卸販売を手がけるなど、自社で扱う商材は多い。パソコン専門店もショップオリジナルのパソコンやパーツを販売するケースが少なくなく、こうした商材連携したマーケティングを積極的に展開することで、ユーザーニーズを引き出す考えだ。

 DIYメーカーは、それぞれ得意分野が分かれている。たとえば、玄人志向はグラフィックボードに強いが、マザーボードは専業メーカーには及ばない。ベンダー同士の強みを「分かりやすくユーザーに見せるだけでも効果は大きい」と考える。

 これまで「玄人志向」は、メーカーによるサポートではなく、ユーザー同士が掲示板などで技術情報を交換する“セルフサポート”を行うことで、他社よりも価格を割安に設定。シェアを伸ばしてきた。このセルフサポート方式は、今後も変えない。その一方で、メルコホールディングスグループには、納入設置や保守サービスを手がけるグループ会社もあり、例えばグループ内の保守サービス会社と連携したビジネスを模索することも検討課題の一つに挙げる。とりわけDIYに興味がある新規ユーザーや初心者の開拓が急務であり、すそ野を広げる戦略の一環としての取り組みを強化する。

 全国のパソコン販売店のPOSデータをもとに集計するBCNランキングによれば、上期(4~9月期)のグラフィックボードの販売台数シェアは23.4%とトップを占めるなど、DIY分野でのブランド力は強い。CFD販売の売上高全体に占める玄人志向ブランドの売り上げ比率は約2割を占める。

週刊BCN 2008年12月15日付 Vol.1264より転載