今年も激戦プリンタ商戦、10月はエプソンの新モデルが一歩リード

特集

2008/11/12 20:40

 インクジェットプリンタの新製品が出揃い、年末に向けたプリンタ商戦が始まった。緒戦の10月はエプソンの主力モデル「EP-801A」が好調な売れ行きを示している。「BCNランキング」をもとに最新の動向をまとめた。

エプソン「EP-801A」がシェア11.0%でトップ




 インクジェットプリンタは、キヤノンとエプソンで台数の8割以上を占める寡占市場。毎年この2社で激しい戦いを繰り広げている。10月、機種別販売台数シェア11.0%で1位を獲得したのはエプソンの新製品「EP-801A」。前面に給排紙機構を採用したコンパクトなモデルだ。一方、自動両面印刷などの機能を搭載するキヤノンの新製品「PIXUS MP630」は7.7%で3位と伸び悩んだ。2位には同社が07年に発売した型落ちの「PIXUS MP610」が7.9%でランクインしており、新旧モデルの入れ替わりで人気が二分したようだ。


年末商戦の2社のシェアの動きに注目



 ここで、今年発売の上位2モデルについて、発売から直後の日々の戦いぶりを見てみよう。まず3日にキヤノンが「PIXUS MP630」を発売。直後に1割弱のシェアを獲得する。しかしエプソンが「EP-801A」を8日に発売すると、直後に大きくシェアを伸ばし形勢が逆転した。その後、週末ごとにシェアを拡大している。


 これらのほか、08年の新製品では、エプソンが上位モデル「EP-901F」「EP-901A」には有線・無線LANを標準装備し、「7.8型タッチパネル」を採用。さらに「EP-901F」はFAX機能を搭載するなど多機能化をすすめている。一方、キヤノンは新しい染料インクを採用し、全体の色域を拡大。さらに純正写真用紙と組み合わせることで写真の長期保存に対応するなど、写真にこだわった製品を投入してきた。さらに最上位モデルの「PIXUS MP980」にはグレーインクを搭載し、有線・無線LANにも対応している。


 10月のメーカー別販売台数シェアではキヤノンが43.6%、エプソンが42.3%という状況。販売合戦のピークはこれからだが、今年のプリンタ商戦もデッドヒートが予想される。(BCN・岩渕恵)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで121品目を対象としています。