日本エイサー、超小型ノートPCを日本市場投入

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2008/06/20 17:20

 台湾PCメーカーの日本法人、日本エイサー(ボブ・セン社長)は超小型ノートPCAspire one」を8月末に日本市場で発売する。メモリやHDD容量などスペックが異なる2?3モデルを用意、色はホワイトとブルーの2色を揃える。年内にはさらに3ー4色新たなカラータイプを発売する予定だ。日本での価格は未定だが、「他社より安い価格での発売を検討している」(小宮山智昌・営業本部本部長)としている。成長著しい超小型ノートPC分野に世界第3位のPCメーカーが参入する。


 「Aspire one」は、液晶モニタのサイズが8.9インチで、CPUにはインテルのモバイル端末向けモデル「Atom」を搭載した持ち運びに適した超小型ノートPCだ。モニタサイズが10インチ未満の小型ノートPC市場には、アスース・ジャパンが商品をすでに発売しており、日本ヒューレット・パッカード日本HP)が6月中旬に発売予定。メーカーの動きが慌しい分野だ。

 エイサーの台湾本社は、6月上旬に台湾で開催されたコンピュータの国際見本市「COMPUTEX 2008」で「Aspire one」を発表したが、日本では8月末に発売するスケジュールで準備を開始した。発売直前に、日本のニーズにマッチした仕様モデルを用意して、日本エイサーが正式発表する。

 瀬戸和信・マーケティングマネージャーは、「『ネットブック』と呼ばれるPCジャンルの位置づけで、持ち運びに適した製品。全く新しいタイプのノートPCとしてPRする」と説明。一方、小宮山本部長は、「ネットブックやUM(ウルトラモバイル)PCと位置づけられているジャンルは一般消費者のニーズが強いし、メーカーの意気込みも高い。家電量販店などの店頭では、今後超小型ノートPCコーナーが設置される状況になるだろう」と予測し、市場の拡大を疑っていない。

 日本エイサーは、液晶ディスプレイではトップベンダー(BCNランキング)に位置しているが、PCはデスクトップ、ノートPCともにシェアは低い。今年から投資を活発化させ、PC事業を強化中だ。ディストリビュータ大手の丸紅インフォテックとダイワボウ情報システムと協業して店頭販売に力を入れている。「2年以内に傘下のゲートウェイを含めて日本のPC市場でトップ5に入る」(小宮山本部長)ことを目標に掲げている。

 

週刊BCN 2008年6月23日付 Vol.1240より転載