こんなことができます! イマドキの地図ソフトの使い方

特集

2007/09/12 14:45

 さまざまな機能を追加しながら、進化を続ける地図ソフト。インターネットの無料地図サービスにはできない、本格的な地図ソフトならではの使い方がある。パッケージ版の最新機能と特徴を紹介する。

●無料サービスにない便利な機能も

 「Yahoo!」や「google」といったポータルサイトの地図サービスでは、手軽に各地の地図情報を入手できる。待ち合わせ場所やお店などの検索、確認に、日常的に利用する人は多いだろう。もちろん、これらのサービスは無料であることが最大の魅力。ちょっと調べたいときには、とても便利だ。

 しかし、こうした無料サービスではできないことがある。例えば、位置を検索した建物などを地図上にマークしてデータとして記録したり、さまざまな情報を付け加えるなど、地図を自由にカスタマイズすることはできない。また、目的地までのルート検索や到達までの所要時間、駐車場の空きを調べるなど、一歩踏み込んだ活用も難しい。

 デジタル地図をもっと活用したいなら、パッケージソフトを導入するのがベスト。最近の地図ソフトはどんどん進化していて、少し前までは考えられなかった便利な機能を搭載している。3つのPC用の地図ソフトから新機能と便利な使い方を紹介しよう。

●「プロアトラス SV3 全国版DVD」(クレオ

周辺の詳細情報を航空写真でチェック!

 「プロアトラス SV3 全国版DVD」で使用されるアルプス社の地図データは、「Yahoo! 地図情報」や「マピオン」に採用され、いわば地図の老舗ブランド的存在。「プロアトラス」はこのバージョンで12作目を数え、ユーザーからの信頼を得て安定した販売実績をもっている。

 最大の特徴は、地図データに「スーパーベクトル地図」を導入していること。地図を画像として扱う「ラスター地図」形式とは違い、「スーパーベクトル地図」は、座標データの集まりとして地図を構成し、描画する。拡大・縮小や回転しても図形が劣化しないのがポイントだ。日本全国どこでもマウスのドラッグでスムーズにスクロールができ、画面上部の縮尺切り替えボタンですぐに拡大・縮小が可能。ストレスを感じない。

 新機能として、縮尺約1/1200の5千航空写真を追加し、東京23区、大阪市、名古屋市の主要な地域の地図を航空写真と重ねて表示できる。通常の地図情報だけではわかりにくい建物の外観や特徴が簡単に把握できるのがうれしい。



マーケティング業務に便利なエリアマップ!

 もちろん、目的地までのルート検索機能も充実。徒歩・自動車・電車などの移動手段別に、目的地までのベストルートをボタン一つで検索できる。道路沿いの宿泊施設の情報や、タクシー料金、高速道路の利用料金に加え、おおよその到達時間も表示するので、効率がいい。

 さらに、営業拠点や得意先などの住所リストをCSV形式ファイルにしておけば、自動的に地図上に読み込んで表示することができる。人口、顧客数、営業成績などを地図上に表示できるので、分布図やエリアマップの作成など、マーケティング活動で重宝する地図が仕上がる。

 さらに、カラーディスプレイを備えた各種PDA携帯電話iPodなどに、表示した地図を切り出して表示する機能を搭載。外出先でも同じ地図で場所を確認できるなど、ビジネスに便利な機能が充実しているのが特徴だ。


●「スーパーマップル・デジタル 8」(昭文社

「Office 2007」をイメージしたインターフェイス

 道路マップなどで実績のある昭文社「スーパーマップル」のデジタル版。バージョン8では、マイクロソフト社の「Office 2007」をイメージしたリボンメニューを採用し、より操作しやすくなった。リボンメニューは、「地図」「プラン」「情報記入」など5種類。リボンタブを選ぶとそれぞれの機能をアイコン化したリボンメニューが表示され、初めて使う人でも直感的に操作できるのが特徴だ。

 地図のスクロールはマウスのドラッグで操作。拡大・縮小は地図の右にあるズームバーで行う。高精細に表示する独自のアンチエイリアス機能により、文字やアイコンも見やすい。また、都市計画図や航空写真をもとに建物の形状をよりリアルに表示するので、詳細な場所の確認も容易に行える。業界で初めて地図の英語表示にも対応する。


充実した経路検索とカーナビ連動がポイント

 「プラン」リボンタブをクリックして表示されるプランニング機能は、使いやすく強化した。普通・大型などのクルマの車種選択や、時間・距離などの優先条件を設定でき、プランニングを実行すると、目的地までのインターチェンジやジャンクションなどの詳細情報を表示する。さらにETC利用時の割引料金計算にも対応し、最適なルートを簡単に知ることができる。

 検索した情報や作成プランの結果データは、SDカードなどを通じて対応するカーナビに転送し、連動して活用することができる。営業のルートプランはもちろん、プライベートのドライブにも便利な機能だ。Windows MoibleやPocket PC用のアプリケーションが付属し、外出の際にスマートフォンやPDAにプランニングした結果を持ち出すこともできる。

 このほか、顧客名簿などのCSV形式ファイルを読み込んで、地図上に位置を表示する機能や、オリジナルマップの作成機能、さまざまなスタイルでの印刷設定機能も充実。ビジネスの効率化にも役立つソフトだ。


●「マップファン・プランナー2」(インクリメントP)

渋滞情報や駐車場の空きをリアルタイムで表示

 画面に表示する地図に、インターネットから入手したリアルタイム情報を重ねて、道路の渋滞状況や駐車場の空きを調べることができる。例えば渋滞情報は、道路交通情報通信システムセンターが提供するVICS情報をインターネットから自動で入手する。「渋滞モーション」機能で、10分前・20分前・30分前の渋滞状況が手に取るように確認できる。

 駐車場の空き情報は、パーキング「タイムス」の満空状況をリアルタイムで検索し、目的地周辺の地図上に満空状況をマークで表示する。営業で移動する場合や、出かける前に、交通状況などをチェックして出発できるというわけだ。もちろん、ルート検索では渋滞を考慮した複数のルートをすぐに検索することができる。入手した情報は、対応の携帯電話やカーナビに送信して活用できる。


ルートシミュレーション機能でドライブルートを確認

 検索した道順は、「ルートシミュレーション」機能を使ってたどることができる。途中の看板標識を表示するので、事前に入念なルートチェックが可能だ。地図には目印となるコンビニやガソリンスタンドなどがわかりやすくアイコン表示するので、要所となる場所の地図をプリントアウトしておけば安心。

 また、高速道路でETCを使った場合の各種割引料金も検索が可能。時間によって異なる深夜割引や早朝夜間割引などを参照して料金を比較。所要時間を逆算しながら出発時間を決定できるなど、ドライブに役立つ機能を豊富に搭載している。


●アイディア次第で活用の幅が広がる地図ソフト

 ここで紹介した以外にも、さまざまな地図ソフトを販売している。PSPで楽しめる「みんなの地図2」(ゼンリン)など、ユニークなものもある。

 ビジネスや趣味、旅行・ドライブのレジャーなどに、こうした本格的な地図ソフトを導入してみてはいかがだろう? 目的とアイディア次第で、その活用の幅はぐんと広がるはずだ。