シャープは8月30日、指で画面を操作したり、名刺などを読み取れるスキャナ機能を搭載した「光センサ内蔵システム液晶」を開発したと発表した。パソコンやスマートフォン型の携帯電話、デジタルカメラなどのタッチパネル用ディスプレイとしての利用を見込む。9月からサンプル出荷を開始し、来年春には量産を始める。価格は未定。


  新型液晶は画像を認識して入力する光センサーを採用。センサーを液晶のRGBの画素1つ1つに組み込み、額縁部に駆動回路を設置した。そのため、従来のタッチパネル液晶では難しかった複数ポイントの同時認識が可能になり、たとえば画面に表示した地図の拡大縮小が2本の指で簡単に行える。また、画面の上に置くだけで、スキャナのように文書などを読み取ることもできる。スキャナ機能は2次元コードの読み取りや指紋認証にも対応させる予定。




  これまでタッチパネル液晶は「抵抗膜方式」と呼ばれる指を画面に押して電気的な接触で読み取る液晶ディスプレイが市場の8割を占めていたが、タッチパネル用のフィルムと液晶パネルを貼り合わせる構造のため、薄型化が難しく、バックライトの光が損なわれたり、外光の反射の影響で画面の表示能力に課題があった。




  シャープでは画素にセンサーを組み込むことで、厚さが2mmと抵抗膜方式の半分まで薄型化に成功。液晶とセンサーを一体化したことで、バックライトの光のロスもなく、高画質での表示が可能になったという。液晶パネルは、奈良県と三重県の工場で生産する。



  方志教和・モバイル液晶事業本部本部長は発表会で、自発光のため薄型化が可能と言われる有機ELと比較し、「一般に薄いと言われている有機ELでは難しい技術。有機ELにタッチパネルを付けた場合よりも今回の液晶の方が薄くなる」と自信を見せた。サイズ展開については「12.1型や10.4型を視野に入れているが、当面はもう少し小さいサイズで展開していきたい」と述べた。

シャープ=http://www.sharp.co.jp/


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