マイクロソフト、COOに元日本HPの樋口泰行氏が正式就任、法人事業を統括へ

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2007/03/05 18:30

 マイクロソフトは3月5日、東京・六本木のホテルで会見を開き、前ダイエー社長で元日本ヒューレット・パッカード日本HP)社長の樋口泰行氏(49歳)が、同日付で代表執行役兼COO(Chief Operating Officer=最高執行責任者)に就任したと発表した。

 マイクロソフトは3月5日、東京・六本木のホテルで会見を開き、前ダイエー社長で元日本ヒューレット・パッカード日本HP)社長の樋口泰行氏(49歳)が、同日付で代表執行役兼COO(Chief Operating Officer=最高執行責任者)に就任したと発表した。

 役員に外部人材を採用したのは同社初。ダレン・ヒューストン社長(41歳)がコンシューマー事業を統括し、樋口COOが法人・企業・公共機関向けビジネスやマーケティングなどを担当する。年内に樋口COOが次期社長に就任するとの一部報道に対してヒューストン社長は、「ゆくゆくは、(樋口COOが)私の後任ということともあるが、来年度(08年6月期)もやる」と否定、当面は「2大巨頭体制」で挑むことを明らかにした。

 樋口氏をCOOに迎えた理由についてヒューストン社長は、「(05年7月に3か年計画の)『PLAN?J』を発表して、『折り返し地点』にある当社にとって重要なタイミング。日本市場のビジネスチャンスをより拡大すべき時で、新たなリーダーを必要としていた」と説明。これに対し、樋口COOは「元々エンジニアであり、(日本HPなどで)ハードウェアやSIを経験し、ダイエーでは顧客企業の立場でもあった。こうした多面的な経験が役立つと判断した」と、COO就任までの経緯を語った。さらに「法人ビジネスは、コンシューマー市場のボリュームビジネスと異なり、パートナーとコラボレーションして、ハイタッチのセールスをする必要がある」と、法人事業の拡大に向けた抱負を述べた。

 樋口COOは1957年、兵庫県生まれ。大阪大学工学部卒業後、松下電器産業に入社した。91年には、ヒューストン社長も学んだハーバード大学経営大学院を卒業。その後、ボストンコンサルティング、アップルコンピュータ、コンパックコンピュータを経て、HPとコンパック合併に伴い、03年に日本HPの執行役員に着任。翌年には代表取締役社長兼COOに就いた。05年には、産業再生法の適用を受けたダイエーに転身し、代表取締役社長兼COOに就任した。

 昨年10月にダイエーの臨時取締役会議で顧問に退いてから、次の就職先を検討していたところ、マイクロソフトから声がかかった。今年に入って渡米し、米本社のスティーブ・バルマーCEOに直接会い、2月に最終決定したという。樋口COOは、「米国で働くことに、まったく興味がない」と、米本社の役職は充てられていない。

 一方、コンシューマー事業にフォーカスして陣頭指揮を執ることになったヒューストン社長は、1月30日発売の新OS「Windows Vista」について、「今の時点では、今回の滑り出しはすごく良かったし、非常に満足している。『Home Basic』より上位版の『Home Premium』の関心が高く、嬉しいと同時に驚いている。数週間以内にVistaを搭載したローエンドPCが出てくる。世界的には、東芝ソニーがいい結果を出している」と、順調に立ち上がっていることを強調した。