会議や商談、声のメモといったビジネス用途から英会話などの学習利用まで幅広く使えるICレコーダー。小型・軽量で持ち運びに便利なうえ、カセットテープに比べ、すばやく「早送り」や「巻き戻し」ができ、裏返しが不要という使い勝手の良さで人気を集めている。メモリの価格が安くなるにつれ、ICレコーダー自体も気軽に購入できるようになってきた。直近の「BCNランキング」でも上位にランクインしているのは1万円未満の低価格モデルだ。

 会議や商談、声のメモといったビジネス用途から英会話などの学習利用まで幅広く使えるICレコーダー。小型・軽量で持ち運びに便利なうえ、カセットテープに比べ、すばやく「早送り」や「巻き戻し」ができ、裏返しが不要という使い勝手の良さで人気を集めている。メモリの価格が安くなるにつれ、ICレコーダー自体も気軽に購入できるようになってきた。直近の「BCNランキング」でも上位にランクインしているのは1万円未満の低価格モデルだ。

●オリンパスの低価格機が一番人気



 2月3週(2月12-18日)の「BCNランキング」で1位を獲得したのは、オリンパスの「VN-2100」。販売台数シェアは9.4%だった。大手量販店での実勢価格が6000円前後の低価格機で、06年11月第2週(11月7-13日)から14週連続でトップの座を維持している。

 初心者でも使いやすいよう、大型の集中ボタンや日本語表示に対応する大きめの液晶パネルを採用したのが特徴。PCには接続できないものの、64MBのフラッシュメモリを内蔵し、長時間録音モードで最大35時間50分の録音ができる。音程を変えずに再生スピードだけを変えられる「早聞き・遅聞き再生機能」も搭載した。

●1万円未満と1-2万円未満で二極化、2つの価格帯で82%を占める

 ICレコーダー市場は現在、税別平均価格2万円未満の製品が全体の82%を占めている。中でも売れ筋は、同5000-1万円未満のエントリーモデル。06年9月以降の推移をみてもシェアは伸びており、07年1月では約41%がこの価格帯だった。次いで売れているのが同1万円-2万円未満のミドルクラスモデルだ。



 機種別販売台数トップ10でも、2位でシェア8.8%の松下電器産業「RR-QR160」(実勢価格:65000円前後)をはじめ、3位でシェア7%の三洋電機「ICR-B67」(実勢価格:1万円前後)、4位でシェア6.7%のソニー「ICD-B50」(実勢価格:1万円前後)と、4位まではいずれも低価格帯の製品だった。

 ただ、この価格帯の機種はパソコンとの接続機能を持たず、録音した音声データをPCに保存できない機種がほとんど。また、モノラルのみの録音でステレオでは録音できない機種も多い。しかし、初めてICレコーダーを使う初心者や、録って聴いて消すだけの用途には、数千円で買える手ごろな価格は十分に魅力的だ。

●音楽プレーヤーやCD並みの録音など、1万円以上の機種は付加価値で勝負

 一方、5-10位には実勢価格が1万円を越える機種がランクインした。この価格帯の機種は、メモリ容量が大きく、ステレオ録音対応や長時間録音、再生スピード調整などの基本機能が充実していることに加え、付加機能を搭載しているのが特徴だ。

 例えば、シェア5.6%で6位の三洋電機の「ICR-B181M」はパソコンから「MP3」「WMA」の音楽ファイルを取り込んで再生できる音楽プレーヤー機能を搭載。厚さが13mm、重さが42gとICレコーダーの中でもより小型・薄型のサイズも特徴となっている。録音時間はモノラルの長時間モードで最大72時間。



 シェア5%で7位のソニーの「ICD-U60」も、「MP3」をパソコンから取り込んで再生できる音楽プレーヤー機能を搭載。内蔵マイクはモノラルだが、出力端子はステレオに対応する。音を感知して自動的に録音を開始する機能も備える。また、音声の英語学習教材も収録し、録音時間は長時間モードで最大251時間5分と大容量だ。

 高性能機種で今後の注目は、CD並みの音質で録音できるICレコーダー。単に記録として録音するばかりでなく、音楽素材を録音したりする用途にも利用できるのが特徴だ。三洋が3月10日に発売するのは2GBのメモリを内蔵した「ICR-PS285RM」。音楽CDと同じ音質で記録できる「リニアPCM形式」を録音フォーマットに採用。「MP3」の録音にも対応する。従来機種に比べ集音性が約3倍に向上したチルトアップ式ステレオマイクも搭載した。録音時間はMP3のモノラル長時間モードで最大284時間。価格はオープンで、実勢価格は3万3000円前後の見込み。


 ソニーも内蔵メモリ1GBの「ICD-SX77」と512MBの「ICD-SX67」を3月16日に発売する。新開発の「ステレオハイクオリティー(STHQ)モード」を搭載し、CDに迫る、80-20000Hzの広帯域にわたる高音質録音ができる。直径10ミリの大口径で高感度のマイクを左右に装備。マイクの指向性を切り替えることも可能。モノラル長時間モードで「ICD-SX77」が最大374時間55分、「ICD-SX67」は185時間55分の録音ができる。価格はオープンで、実勢価格は「ICD-SX77」が2万5000円前後、512MBの「ICD-SX67」が2万円前後の見込み。

●メーカー別でも強いオリンパス、ソニー、三洋は伸び悩み

 メーカー別販売台数シェアも見ておこう。ICレコーダーで強いのはなんといってもオリンパス。トップシェアを安定的に維持している。06年9月からシェアをやや伸ばし、10月には36.8%を獲得。その後も36%台をキープし、1位を保持し続けている。1月には36.9%を記録した。2位はシェア29%でソニー。ソニーは06年8月以降、シェア30%を超えられない伸び悩みの状況にある。3位でシェア19.2%の三洋電機も06年8月に20%を割り込んでから横ばいの状態が続いている。



●ICレコーダー購入で注意すべきポイントとは?

 ICレコーダーを選びでポイントとなるのは「パソコンとの接続や外部メモリスロットの有無」と「メモリ容量や録音時間」の2つ。録音したデータをすぐに消してしまうのであれば、パソコンと接続したり、外部メモリに保存したりする機能は不要。しかし、録音データを保存しておきたいのであれば、パソコンとの接続機能か外部メモリスロットは不可欠だ。かならず確認したい。

 メモリ容量は、大きいに越したことはない。メモリ容量が大きければ長時間録音できるメリットがあるうえ、より高音質で録音しても容量が足りなくなることも少ない。さらに、高音質録音を多用するならやはり大容量モデルを選んだほうがいい。ただし、同じ容量でも、メーカー、機種によっても録音時間の表記が異なっていることがあるので、カタログなどで比較する際には注意が必要だ。

 ちなみに、会議の録音であっても、高音質モードで録音しておけば発言者の違いが明確に分かるので、後で再生する際に意外に重宝する。同じように、モノラルよりもステレオで録音したほうが発言者の聞き分けが容易になる。音楽素材でなくても、録音した音声の聞き取りやすさを重視するなら、高音質のステレオモード搭載機種のほうがオススメだ。(WebBCNランキング編集部・米山淳)


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など21社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。