チューナーのデジタル化や複数化などに注目が集まっていたHDD-DVDレコーダー市場だが、このところ新たなキーワードが浮かび上がってきた。薄型テレビなどと連携できるリンク機能だ。ひとつのリモコンで操作できるリンク機能つきモデルを販売しているのは松下とシャープ。「BCNランキング」ではこの2社が、HDD-DVDレコーダーで過半数の販売台数シェアを占めている。

 チューナーのデジタル化や複数化などに注目が集まっていたHDD-DVDレコーダー市場だが、このところ新たなキーワードが浮かび上がってきた。薄型テレビなどと連携できるリンク機能だ。ひとつのリモコンで操作できるリンク機能つきモデルを販売しているのは松下とシャープ。「BCNランキング」ではこの2社が、HDD-DVDレコーダーで過半数の販売台数シェアを占めている。

●5週連続1位は松下の「VIERA Link」搭載モデル

 薄型テレビやHDD-DVDレコーダーのリンク機能については、薄型テレビ市場で高いシェアを獲得している松下とシャープの2社が対応モデルを発売しており、松下は「VIERA Link(ビエラリンク)」、シャープは「AQUOS (アクオス)ファミリンク」と呼んでいる。実は現在、HDD-DVDレコーダー市場もこの2社がトップを競う展開。11月第3週(11月13日-11月19日)のメーカー別販売台数シェアでは松下が27.6%、シャープが26.1%を獲得し、1、2位を占めている。

 機種別でもリンク機能付きモデルの人気は高く、11月第3週のHDD-DVDレコーダー販売台数シェアのトップ10では、リンク機能搭載モデルが半数の5機種もランクインしている。なかでも10月10日に松下が発売した「VIERA Link」対応の「DMR-XP10」は、発売翌週の10月第3週(10月16日-10月22日)に初めて販売台数シェア7.5%で1位を獲得し、その後もシェアを伸ばしながら5週連続で首位の地位を守っている。11月第3週でも販売台数シェア8.1%で、1位を獲得した。


 「DMR-XP10」は200GBのHDDと、地上アナログ、デジタルチューナーを1基ずつ搭載したモデル。発売前の市場想定価格は9万円前後であったが、11月中旬現在、都内の大型量販店では7万円台中盤で販売されている。


 「DMR-XP10」の人気の理由は価格だろうか、機能だろうか。まず、200GBのHDDと地上アナログ、デジタルチューナーを1基ずつ搭載する、同レベルの機種と価格を比較してみた。06年10月では、対象となる機種が全部で4機種ランクインしていた。この4機種の平均価格は6万円前後ほど。「DMR-XP10」はやや割高の部類。安くて売れている、というわけではないようだ。

 「DMR-XP10」は目当ての番組だけ表示する「番組自動まとめ表示」機能や、「音声操作ガイド」機能など、さまざまな便利機能を搭載しているが、その中でももっとも特徴的なのは、やはり「VIERA Link」に対応していることだろう。松下製薄型テレビ「VIERA」シリーズとHDMI接続をすることでテレビのリモコンでHDD-DVDレコーダーを操作することができるようになる。電源のオン/オフ、再生、録画、入力チャンネルの切り替えなどができ、リモコンを1つに集約できる上に、リモコンを持ち替える手間もなく、簡単に操作ができることが好調の理由のようだ。

●「AQUOS ファミリンク」で追いかけるシャープ

 2位にランクインした松下の「DMR-XW30」も「VIERA Link」対応モデルで、台数シェアは6.8%。1位の「DMR-XP10」の上位モデルだ。地上デジタルチューナーを2基搭載し、デジタル放送の2番組同時録画にも対応する。HDD容量は400GB。

 「DMR-XP10」の基本機能に加え、音楽CDの楽曲をHDDに保存して再生したり、SDカードに記録して持ち出せる「SD音楽」機能や、外出先で携帯電話やPCから録画予約の設定ができる「携帯&PC録画機能」を搭載し、利用シーンを広げた。


 4位にはシャープのリンクシステム「AQUOS ファミリンク」対応の「DV-AC32」が台数シェア4.8%でランクイン。250GBのHDD、地上アナログ、デジタルチューナーを1基ずつ搭載したモデルで、従来機同様電源スタンバイ状態から約1秒で電子番組表の表示や録画・再生ができる「一発起動」モードも搭載した。もちろんリンク機能によって、シャープの液晶テレビ「AQUOS」のリモコンでHDD-DVDレコーダーの操作ができる。

 このほか、「AQUOS」のノウハウを反映した画像処理回路「新・アクオス画像エンジン」や、共通のデザイン・操作性となる「高精細デジタル番組表」を採用し、「AQUOS」との親和性を向上させた。



●ハイビジョン化と複数チューナー普及でHDDもさらに大容量化

 HDD-DVDレコーダー市場は、夏のボーナス商戦期に前年同月比2ケタダウンと大きく落ち込んだが、秋・冬モデルが投入された9月から上向き始め、年末に向けて盛り上がりが期待できる。特に販売台数よりも販売金額の回復が著しく、06年9月の販売金額は前年同月比105.4%、10月は同101.5%と前年実績を上回った。台数よりも金額ベースの上昇が著しいのは、高付加価値のリンク対応モデルが好調であること、HDDの大容量化が進みつつあることが要因のようだ。


 搭載チューナー別構成比率ではデジタル放送対応モデルが全体の60.3%に達し、ハイビジョン放送を録画できる体制が整いつつある。またデジタルチューナーを2基搭載したモデルや、アナログ×デジタルの2番組同時録画が可能なモデルが上位にランクインするなど、高付加価値モデルの人気が高まってきた。しかし、高画質で多くの番組をHDD内に残そうと思うと、気になるのはHDDの空き容量。HDDの大容量化はどの程度進んでいるのだろうか?

 4か月前の7月第3週(7月17日-7月23日)と直近の11月第3週で、HDD容量別構成比を比較してみた。7月には160GBモデルがもっとも多く、販売台数シェアは25.6%だった。続いて200GBモデルが24.8%、200GBモデルが21.1%と160-250GBが市場の中心だった。


 ところが11月に入ると400GBモデルが大きく伸び、9.5ポイントアップの17.1%までに拡大。それに対して160GBモデルがマイナス6.8ポイントの18.8%、200GBモデルがマイナス7ポイントの14.0%に落ち込んだ。250GBモデルは4.4ポイントアップの29.2%、ラインアップ数が少ない300GBモデルも少し伸び、1ポイントアップの1.2%。HDDの大容量化は着実に進んでいる。

 HDD-DVDレコーダーの年末商戦は、デジタルチューナーや複数チューナーを搭載する高機能モデルに加え、操作性を格段に高めるリンク機能や高画質コンテンツをしっかり保存できる大容量HDD搭載モデルが注目を集めそうだ。


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など22社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。