「ウイルスバスター 更新パック」が徐々に浸透、固定ファンを魅了

特集

2005/01/20 21:55

 セキュリティソフトといえば、つきものなのがパターンファイルの更新。一般的には、パターンファイルをダウンロードできる期限が1年と決まっているため、うっかり期限が過ぎてお店に駆け込んだ人も多いはず。トレンドマイクロによれば、「とくにこの年末は、『更新パック』の売れ行きが予想以上に好調で、全体の13%に達した」という。

 セキュリティソフトといえば、つきものなのがパターンファイルの更新。一般的には、パターンファイルをダウンロードできる期限が1年と決まっているため、うっかり期限が過ぎてお店に駆け込んだ人も多いはず。セキュリティソフトメーカーの多くは、9月から11月に最新版を出して機能強化を図っているが、既存ユーザー向けにパターンファイル更新や最新版へのアップグレードを低価格で行えるパック商品の人気が高まっている。トレンドマイクロによれば、「とくにこの年末は、『更新パック』の売れ行きが予想以上に好調で、全体の13%に達した」という。

 最近、はやっている「フィッシング」と「スパイウェア」に対応するため、「ウイルスバスター 2005」では、「スパイウェア検索&駆除」や「無線LAN診断&パソコンぜい弱性診断」などの新機能を盛り込んだ。こうした新機能を求めて「更新パック」を購入するユーザーが多い。

 「ウイルスバスター 更新パック」は、「ウイルスバスタークラブ会員」の契約を1年間延長するための製品。契約更新の手続きをすると、最新のパターンファイル、検索エンジン、アップデートプログラムなどをインターネットを通じて無料でダウンロードできる。また、後継製品へのダウンロードによる無料アップグレードやサポートセンターへの問い合わせが可能となる。

 「最新版」よりも安く購入できるほか、契約期間中いつでも「最新版」にアップグレードできるのがメリットだ。2002年まではオンラインでのダウンロード販売のみだったが、2003年から店頭でのパッケージ版を開始し、この2年で「更新パック」の購入率がぐっと高まってきた。

 は、「更新パック」の販売本数指数推移。発売後から大きく本数を伸ばし、引き続き好調な推移を持続している。「『最新版』購入ユーザーの14%くらいが『更新パック』に関心を示している」(同社調査)という言葉どおりの結果を得た。


 ソフトの継続利用を希望する意向は「更新パック」だけでなく、「ダウンロード版」にも向かっている。同社は、決済方法やダウンロードの販売の提携サイトを増やしたこともあり、「『最新版』も含めた全体で、ダウンロード販売金額が前年度から86%も増えた」という。さらに、追い風となったのが、「Windows XP Service Pack 2 セキュリティ強化機能搭載(Windows XP SP2)」の存在。ウイルスソフトとOSが連携するため、頻繁にセキュリティソフトの存在を意識せざるをえなくなった。

 現在、注力しているのが初心者層への啓蒙。「課題はとくに主婦とシルバー層」。パッケージに同梱する「ウイルスバスタークラブ」の動画コンテンツ「お助けガイド」や、同社ホームページで「セキュリティ教室」を掲載するなど、セキュリティをより身近に感じられる工夫を凝らしている。シルバー層に対しては、地域のシニアネットクラブと共同でセミナーを開催しているという。

 さらに、新サービスの「ウイルスバスター 月額版」は、同社と契約を結んだプロバイダがパターンファイルの更新をすべて担当してくれる。「まだ始まったばかり」だが、こちらも初心者ユーザーを固定客にするための新しい試みといえる。