声や音が聞こえにくくなったと感じている人に朗報! NTTソノリティが新開発のオープンイヤー型集音器で聞こえにくさを解消
テレビのボリューム問題を解決するcocoe Link
特徴の3点目はテレビ視聴時に連携するデバイス。テレビ番組の音が聞こえにくくなり、ボリュームを上げると家族から音量が大きいと指摘されるのは、高齢者とその家族にとってよくあるケースといってもよいだろう。この、いわゆるテレビのボリューム問題を解決するのが、テレビと接続するデバイスのcocoe Linkだ。
cocoe Linkはテレビ番組の音をワイヤレスで送信するトランスミッター。テレビのヘッドホン端子にcocoe Linkをケーブル接続すると、cocoe Earのボタン一つでテレビの音声が耳元で聞こえる。
テレビのボリュームを上げなくてもcocoe Earのボリュームボタンかアプリの操作で、周囲を気にすることなくテレビ番組を自分に合った最適な音量で楽しむことができる。
また、cocoe Linkは内蔵マイクを搭載。テレビとケーブルで接続せず、テレビの近くに置くだけで内蔵マイクがテレビの音声を拾ってcocoe Earに音を届ける。
「オーディオケーブルで接続してもらうほうが確実に音質はよいのですが、聞こえに困っている方々を誰1人として取りこぼさないようにしたい。そんな思いがcocoe Linkの設計には込められています」と中野プロダクトマネージャーは解説する。
テレビの音声は内蔵マイクからでも拾える
テレビとcocoe Linkを接続すると、どのように聞こえるのか体験してみた。テレビの音声が耳のすぐそばから聞こえ、音質も非常に明瞭。しかもオープンイヤーだから周囲の音も自然に聞こえる。テレビのスピーカーからも音声は出ていたが、レイテンシーは全く感じない。
試しに物理ボタンを操作して音量を上げてみると、テレビの音声だけ大きく聞こえ、周囲の音に変化はない。これならテレビのボリューム問題は解消できると実感した。
余談だが、スマートフォンとcocoe EarはBluetoothで接続中、通話音質の高音増幅はできない。ただし、接続を解除し、スマートフォンのスピーカーから音声を出してcocoe Earで集音すれば、対面会話と同様に高音を増幅することができるとのことだ。
販売はGREEN FUNDINGのプロジェクトとしてスタート
紹介してきたcocoe Earとcocoe Linkは、12月23日からクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」のプロジェクトという形で展開がスタートした。一般販売予定価格はcocoe Earが3万9600円、cocoe Linkは1万500円だが、同プロジェクトではcocoe Ear単独やcocoe Linkとのセットを割引価格で提供する。数量限定のため、早めに同プロジェクトページをチェックしよう。
先行発売の場にGREEN FUNDINGを選んだ理由は、同サイトでの集音器の扱いが多いことと、支援者=ユーザーの声を直接聞くことができるためという。いわゆるテストマーケティングのような形で、ユーザーの声を製品の改善に反映して本格販売に進むというロードマップだ。
支援者の声を反映した改善点として考えられるのは、音声処理のチューニング。坂井社長は「外観も含む形状や装着感については、相当数の意見を聞いてきました。音のチューニング処理や周波数帯のバランスなどは、ユーザーの声を聞いたうえで判断したいと考えています」と話す。
本格販売は来年春以降の予定で、坂井社長によると「クラウドファンディングで支援者に製品をお届けできるのが2026年の3月以降。その後、ECで販売することは間違いありませんが、店舗としての販売チャネルは未定です」という。音を聞き取りにくい人がターゲットのため、どのような販売チャネルが最適なのかを検討している段階のようだ。
販売はまだ先だが、cocoe Earは聞こえにくさという問題を解決する機器であることから、一部のドコモショップで店頭対応トライアルを実施している。12月31日まではドコモショップ丸の内店(東京)、札幌店(北海道)、六本松店(福岡県)でトライアルを実施し、そのほかのエリアにも拡大していく計画である。
ドコモショップには契約や相談などで、さまざまな人が訪れる。対面接客のため、高齢者も多く訪れ、中には難聴者や聞き取りに不安を持っている人もいるかもしれない。そのようなお客に対してcocoe Earを使ってもらい、コミュニケーションの改善に活用するのが狙いという。
また、東京の蔦屋家電+とSHIBUYA TSUTAYA、福岡の福岡天神 蔦屋書店でも2026年1月22日まで製品の展示が行われる予定だ。
五感の一つである聴覚の問題にフォーカスし、聞こえにくさの課題解決に挑戦した新ブランドcocoe。年末年始の帰省で久しぶりに親と対話して、耳が遠くなったことに気がつく人も多いのではないだろうか。また、親だけでなく自分自身で聞こえにくさを感じるようになってきたのであれば、前述のGREEN FUNDINGのプロジェクトページや展示店舗で、製品の詳細を確認してみよう。(BCN総研・風間理男)





