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K-POPアイドルグループ「EL7Z UP」にみるサバイバル番組事情、EL7Z UPは生き残ったアイドル

暮らし

2023/12/09 12:00

【父娘のリレーブログ:K-POPとその周辺のお話・7】 皆さん、こんにちは。今回は今年Mnet(韓国の音楽専門チャンネル)で放映されたサバイバルオーディション番組「QUEENDOM PUZZLE」で結成された7人組グループ「EL7Z UP(エルズアップ)」のファンコンサートに参戦したので、そのレポートと、K-POPを語る上で避けて通れないサバイバル番組事情についてお話します。なおEL7Z UPについては、第2回の記事で少し紹介していますので、今回はそれに付け加えることにします( https://www.bcnretail.com/market/detail/20231028_373471.html )。

立川ステージガーデンで開催されたEL7Z UPファンコンサート

7人中5人がK-POPガールズグループ

 メンバー7人をオーディションの最終順位の順番でご紹介しますと「1位 フィソ 所属グループ:H1-KEY(ハイキー)」「2位 ナナ 所属グループ:woo!ah!(ウーア)」「3位 ユキ 所属グループ:PURPLE KISS(パープルキス) 唯一の日本人」「4位 ケイ ソロ歌手:元Lovelyz」「5位 ヨルム 所属グループ:宇宙少女」「6位 ヨンヒ 所属グループ:Rocket Punch」「7位 イェウン ソロ歌手:元CLC」というように、7人中5人が現在もK-POPガールズグループに所属しているという、いい方を変えればプロジェクト限定グループのようなものです。

 今年9月にミニアルバムをリリースしており、少なくとも3枚はアルバムをリリースするという噂があります。このメンバーですが、流石にサバイバル番組を勝ち抜いただけあり、精鋭のメンバーです。筆者的にはどのメンバーを推せばいいのか分からないくらいにオールスターであります。

 フィソの圧倒的な歌唱力、ナナの国宝級ビジュアル、ユキのビジュ担(ビジュアル担当)ラップ、ケイの落ち着いたベテラン感、ヨルムのお茶目キャラ、ヨンヒの女神的存在、イェウンのクールビューティなど、メンバーそれぞれ魅力にあふれています。ただし、所属グループをご覧になっていただければお分かりのように、日本ではあまり知られていないグループばかりであり、おそらく起死回生グループというのが理解しやすいかと思います。

 このグループ、今年9月にデビューしたばかりですが、既に日本で6回も単独公演を行っており、加えて東京ドームで開催される「MAMA2023」にも出演が予定されています。筆者は10月22日の大宮公演と11月26日の立川公演に参加しました。

 今回の公演の申込みは抽選ではなく、昔ながらの先着順であり、筆者は販売開始と同時に購入したので、「かなり良席なのでは?」と予想していたのですが、なんと最前列の中央の席を陣取ることができました。これで今年いっぱいの運は、使い果たしたように思いました。

 K-POPコンサートでは恒例の物販も用意されており、ライトスティック、トレカ(トレーディングカード)、ラキドロ(ラッキードローという銀紙にくるまれたランダムなグッズ)、Tシャツ、トートバッグに加え、推しメンのうちわやアクスタ(アクリルスタンド)などを購入していました。ラキドロはステッカー、缶バッジ、キーリングなど種類が多くて飽きが来ませんし、このグループの場合は全員推し(筆者私見)のため、ラキドロしても外れがないので嬉しいです。

 また、いわゆるファンコンサートというのは「ファンとの集い」のようなものであり、楽曲披露の他にメンバーがゲームをすることが多いのですが、これも全員推しだと楽しく観ることができました。今回のファンコンサートで印象に残ったのは、ケイがBoAの「メリクリ」をアカペラで歌ってくれたこと(とても上手かった)と、フィソが殊の外シャイだと分かったことです。
 
コンサートオフィシャルグッズ

なぜサバイバル番組が人気なの?

 さて、今回参戦したEL7Z UPはテレビ番組のサバイバル番組で結成されたグループですが、K-POP業界では常に何かしらサバイバルオーディションが実施されていて、とても人気コンテンツとなっています。昔から日本にも韓国にもサバイバル番組はいくつかありましたが、現在のフォーマットはMnetの「PRODUCE(通称プデュ)」シリーズから広まったのだと思います。なぜ現在ここまでサバイバル番組が人気になっているのか、筆者の考察をお話します。
 

中小事務所の練習生でも実力次第でメジャーになれる


 現在ソロアーティストとして活躍するチョン・ソミは、以前TWICEを生み出したオーディションで脱落したが、その後「PRODUCE 101」でトップ合格し、期間限定K-POPガールズグループ「I.O.I」解散後もメジャーな活動を続けている。
 

中小事務所のマイナーグループがサバイバル番組で注目が集まる


 EL7Z UPメンバーのフィソはH1-Keyのメンバーであるが、正直マイナーなグループである。それが「QUEENDOM PUZZLE」でトップ合格した直後にリリースしたH1-Keyの「SEOUL(Such a Beautiful City)」はデビュー後初めてテレビ音楽番組で1位を獲得している。

 逆に、たびたびサバイバル番組にメンバーが参加している「Cherry Bullet」は、結果を残せずにいまだマイナーなグループのままである。
 

番組を通してデビュー前にファンダムが形成され、デビュー後も一定の人気を得られる


 JYPが日本人を対象にして行われたサバイバル番組「Nizi Project」は、日本国内で大きな話題。その番組からデビューした「NiziU」は、デビュー前にもかかわらずNHK紅白歌合戦に出場するという快挙を達成した。

 日中韓の練習生を集めて行われたサバイバル番組「Girls Planet 999」は日本国内で一定の人気を集めたが、韓国では番組自体があまり話題にならなかった。デビューした期間限定グループ「Kep1er(ケプラー)」はその状況でも善戦しているが、若干盛り上がりに欠ける。
 

番組コンテンツのフォーマットが確立しているので、定期的にサバイバル番組をコンテンツとして放送することができる


 Mnetはほぼ毎年「Produce」シリーズを放映しており、人気コンテンツとなっている。

 2019年の「PRODUCE X 101」と「PRODUCE 48」では、制作側の得票数不正操作が発覚し、プロデューサーが逮捕されるという事態となった。その影響で、いくつかのグループが活動休止や解散に追いやられてしまい、Mnetも一旦はサバイバル番組の制作を自粛する動きもあったが、現在はすっかり復活している。

オーディション番組は今後も人気コンテンツ

 現在は、Mnetフォーマットではなく、HYBE、YG、JYPなどのメジャーな事務所は事務所内の練習生だけで競わせるようなオーディション番組も増えてきており、今後も人気コンテンツとして視聴者は振り回されることになりそうです(もちろん、あえて自ら楽しく振り回されています)。
 
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