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石川・珠洲市でデジタル地域通貨サービスが8月から、北國銀行が開始

金融

2023/05/09 06:30

 北國銀行は、珠洲市、興能信用金庫、Digital Platformerと共同で、珠洲市のデジタル化とキャッシュレス決済比率向上による生産性向上の実現に向け、ブロックチェーン技術を活用したステーブルコインの流通を、石川県珠洲市で開始することを発表した。

地域内でのキャッシュレス決済比率の向上へ

 今年8月から、個人の消費者が利用可能となるデジタル地域通貨サービス「珠洲トチツーカ」のアプリ提供や、加盟店での決済で利用可能な、珠洲市が発行するポイント「珠洲トチポ」を開始する。今年冬頃には、北國銀行が発行体の珠洲市内で利用可能なステーブルコイン「珠洲トチカ」の流通開始を計画している。「珠洲トチカ」を利用した決済では、加盟店が負担する決済手数料を国際的にも最低水準に近い0.5%に設定する予定。

 安価なキャッシュレス決済手段が普及することにより、地域内でのキャッシュレス決済比率の向上や、珠洲市内のポイント制度デジタル化を実現し、地域の資金循環と生産性の向上を目指していく。

 珠洲市での流通開始後は、石川県内各市町との連携を進め、ブロックチェーンのインターオペラビリティ(相互運用性)を活用し、県内全域で流通するデジタル地域通貨「石川トチカ」の実現を計画している。

 同プロジェクトでは、個人や事業者の取引金融機関を問わず利用可能な決済システムの構築を目指しており、珠洲市や奥能登地域では、興能信用金庫と北國銀行の両者が協働で普及・利用促進活動を実施する。

 他地域でも、各市町と地域金融機関が一体となりデジタル地域通貨の利用を促進することで、地域の人々に利便性の高い決済手段を提供するとともに、行政サービスの向上や生産性向上を実現できるよう取り組んでいく。

 同プロジェクトでの決済データの記録、管理に用いるブロックチェーン技術基盤は、Digital Platformerが開発するデジタル通貨・分散型ID発行プラットフォーム「SHIKI」を利用する。ブロックチェーンの暗号化技術により改ざん・コピーを防ぎ、安全でトレーサビリティの高い決済システムを実現する。

 今後もデジタル地域通貨の普及を通じて、各市町との連携により、地域の人々に向けた利便性の高いサービス提供を予定している。また、安価な決済手数料の実現によって、さらなるキャッシュレス決済の普及と行政サービスのデジタル化を促進することで、地域全体の生産性向上を図り、地域の持続可能な発展に取り組んでいく。