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エディオン、減収減益だが粗利益率は横ばい、22年3月期決算

経営戦略

2022/05/12 13:00

 エディオンの2022年3月期連結決算が発表された。同期は前期に発生したテレワーク需要や巣ごもり需要の反動減が生じ、さらに天候不順や新型コロナウイルス拡大による店舗の休業等の影響によって減収減益となったが、売上総利益率はほぼ横ばいをキープした。
 

収益認識に関する会計基準適用が大きく影響

 エディオンの22年3月連結決算は、売上高が7137億6800万円(前期比7.1%減)、営業利益は187億9600万円(同29.8%減)、経常利益は215億8900万円(同22.4%減)で、親会社株主に帰属する当期純利益(以下、当期純利益)は131億900万円(同21.2%減)と減収減益だった。

 21年度を振り返ると、期初の4~5月にかけては新型コロナウイルスの第4波で4都道府県に緊急事態宣言が発令。93店舗が休業を余儀なくされた。6~8月にかけては西日本を中心とした長梅雨や豪雨がエアコンに代表される季節商品の需要にマイナスとなった。

 コロナ禍で顕在化したテレワーク需要や巣ごもり需要は反動減となり、さらに22年3月期から適用となった「収益認識に関する会計基準」も連結決算の数値に影響を与えた。

 「収益認識に関する会計基準」はあくまで会計上の処理で、実際の収益とは異なる。以下の表は、この基準適用と適用前の実績を比較したものである。
 

 減収により各利益指標は前年度よりもダウンしたが、売上総利益率(以下、粗利益率)は前期と同水準をキープ。他の家電量販企業は1ポイントほど粗利益率がダウンした中で高付加価値商品やPB/オリジナル商品、リフォーム等のELS事業の推進が奏功したものと推測される。

今期は3.1%の増収と19.7%の営業利益増を予想

 23年3月期の連結業績予想では売上高7360億円(3.1%増)、営業利益225億円(19.7%増)、経常利益225億円(4.2%増)、当期純利益140億円(6.8%増)を見込む。
 

 粗利益率は29.4%で現状維持を想定し、販売管理費は増加を想定するが増収予想との関係で販売管理費比率は0.4ポイント減と予想。営業利益率は0.5ポイント、経常利益率が0.1ポイント、当期純利益率も0.1ポイントのアップと予想している。

 店舗展開では5店舗の新設と3店舗の移転・建て替えを計画しており、既存店売上高は上期が前年度比3.2%増、下期は前年度横ばいと予想し、通期では同1.5%増を想定。4月27日に発表したニトリとの資本業務提携や家庭用ロボットの展開店舗拡大、エクステリアリフォームの導入などでさらなる成長を目指す。